初めての英国生活―Challenge&Enjoy!

自分はすごく好奇心が旺盛なので、イギリスでは、いろんな壁にぶち当たってもそれを楽しんでいました。例えば、アパートを借りるために、自分で直接不動産屋さんに行って交渉したんですけれど、約束の時間に担当者が来なかったり、実際に物件の下見に行っても鍵が掛かっていて入れなかったりなど、日本では考えられない出来事が日常的に起こりました。実際にアパートに住み始めて電気やガス、インターネットの開通手続きをするときも自分で電話をして挑戦しました。その時は中学生レベルの英語力だったと思うんですが・・・・・対応してくれたイギリス人も大変だったでしょうね(笑)。でもこうやって非日常的な出来事に遭遇しても、自分の力でチャレンジしてみることで楽しさを感じていました。

すべての始まりはChallengeから

チャレンジをしなければ何も始まらないと思うんですよね。恐れて何もしないで時間が経った時には、後悔だけが残ると思うんです。僕は今まで後悔はしたくないって思って色んなことにチャレンジしてきました。1日24時間はみんなに平等に与えられている時間です。それをどう使うかは人それぞれだと思うんですが、その中でチャレンジしなければ何も生まれないと思うんです。僕はいま、英語を改めて勉強しなおそうと思っているのですが、これもひとつのチャレンジです。一歩踏み出さなければ、何も始まらないと思うんです。

友人の語学向上が決め手に

実は、英語を改めて勉強しなおそうと思ったのは、友人の太田雄貴さんの影響なんです。同い年で同じ事務所に所属しているフェンシング選手なんですが、彼とよく食事に行ったりするんです。彼と初めて会ったのは4年くらい前で、ちょうど僕がイングランドに行った頃です。その時、太田くんの英語力は僕より低かったと思うんですね(笑)。それが、今は外国人の方々とスムースに流暢に英語を話していて・・・その姿を見て、正直、悔しい!って思いました(笑)。帰国後、英語をきちんと勉強したいなってずっと思っていたのですが、彼の姿、語学力に背中を押されましたね。

プレゼンは自分の考えを主張すること

太田君はオリンピック招致の関係で英語でのプレゼンのためにかなり努力をしていたと思います。あのような大舞台でプレゼンをする機会ってなかなかないと思うんですが、プレゼンは僕たちの社会生活でも求められることなんだと思います。
ひとつエピソードをご紹介します。イングランドのチームにいたときですが、試合に出場できなかったことがありました。そういう時は、必ず監督のところへ行って、異議申し立てをしました(笑)。なぜ自分を起用してくれなかったのかって。聞いてみないと監督の考えも分からないですからね。もちろん、最初は怖かったですよ、監督に嫌われたらどうしよう、とか。でも、納得できないなら監督に聞きにいけよ、って周りもいってくれて・・・。監督室で一対一になって、何で僕は出られないのか、自分に足りないものは何なのかって直接聞きに行きましたね。監督も監督の考えをきちんと話してくれるし、そこで意見が食い違えば反論もします。話し合った後は、1週間後、1か月後に自分はこうやって改善している、だから試合に出させてくれよって監督にきちんと伝えました。言わないとお互いに理解が生まれないと思うんですよね。
こうやって、自分の考えを筋道立てて人に伝えるということもプレゼンなんだと思います。こういう姿勢が身に着いたのはイングランド滞在のおかげですね。自分でも成長したところだと感じています。

本番前のルーティンの優位性

このコンテストに参加するみなさんは、大勢の人の前に立つ不安や自分自身への期待というものが入り混じっての登壇になると思います。ぜひ、その気持ちを良い緊張感へつなげていって欲しいですね。僕はよく本番前の「ルーティン」を大切にしています。その大切さに気付いたのが22歳くらいの時、北京オリンピックに行く前くらいだったと思います。日本代表としてプレーするということは光栄であると同時に、メンタルの強さが求められます。ある人から、試合前に同じことをきっちりとやっていれば、試合にすんなり入れる、と言われたことがありました。ですので、僕は試合前には、同じストレッチをして、同じ音楽を聴いて、それから試合に臨むことを心掛けています。それは場所が変わってもできることなので中東に行こうが欧州に行こうが変わりません。必ずストレッチできる環境があるし、音楽も聴くことができます。自分のルーティンを確立してメンタルを安定させることは、本番前の大切な準備運動だと思います。

言葉―人生を楽しむ最高のツール

言葉は人生を楽しむ最高のツールだと思います。言葉なくして、コミュニケーションはとれません。言葉は自分以外の人とコミュニケーションをとり、視野や経験を広げるための大切なツールです。
せっかく生を受けたのですから、最高の人生を送りたいじゃないですか―。言葉はそのための最重要ツールだと思います。だから、僕もまずは英語の勉強を再スタート(笑)。頑張ります!