元国連大使の吉川元偉先生による特別講演会が開催されました

2021.07.05

6月28日、国連の元特命全権大使である吉川元偉先生の特別講演会が実施されました。講演会では、吉川先生の学生時代のエピソードや、長年勤務された外務省や国連での経験についてお話頂きました。

分散登校中にも関わらず、会場には多くの学生の姿が。当日は、オンライン参加を併せて、100名近くの学生が講演会を聴講しました。学生たちは終始メモをとりつつ、吉川先生のお話に真剣に耳を傾けていました。

外交官を志した吉川先生の高校時代

講演会の冒頭では、吉川先生が外交官を目指すことを決めた高校時代のエピソードに。高校時代のアメリカ留学がきっかけとなり、外交官の道を志した吉川先生。夢の実現のためにどのように語学力を培っていったのか、具体的な英語学習のアドバイスを頂きました。当時の吉川先生が実際に使用していた英語教材の紹介もあり、学生たちは真剣にメモをとっていました。

そして吉川先生は、何人かの学生たちに問いかけます。「What would you like to do in your life?(あなたは自分の人生において、何をしたいですか?)」

 

「『自分の人生において、自分は何がしたいのか』。学生の皆さんは、ぜひこのことを一番大切に考えてほしい。そして、『その夢の実現のために、自分は今何をしなければならないのか。』今のうちからそれを具体的にして、行動を始めてください。」という吉川先生の言葉に、学生たちも頷いていました。

外務省や国連時代の思い出に残っている仕事とは

外務省に42年間勤務した吉川先生。長年に渡る外交官生活では、数々の非日常的な現場を経験されていました。当時、世間を騒がせていた誰もが知る国際問題の数々がスクリーンに映し出されます。吉川先生がそれらの最前線に立っていたことに、学生は驚きが隠せません。

▲「渡航禁止勧告が出ていた国に渡り、身柄を拘束されてしまった日本人がいたとします。皆さんは、身代金などの犯人の要求を呑んでも、彼らを救出するべきだと思いますか?」と問いかける吉川先生。

そして話題は、数年前に起こったシリアでの日本人フリージャーナリスト人質事件に。この事件は、メディアでも連日報道されていた記憶に新しい事件です。吉川先生から「こんなとき、皆さんだったらどうしますか?」と学生たちに問いかけが。

真剣に悩みながら答えを出す学生たち。吉川先生が国連勤務時代に直面していた事件の深刻さ。学生たちもこれらの事件を、他人ごとではなく、自分ごととして考える機会となったようでした。

国家規模の難しい判断を強いられる場面が数多くあった国連勤務時代。これに対し、吉川先生は「自分がとった行動を、後で対外的に説明できるかどうか。そのときの感情に流されずに、人に対して論理的に説明できるか。これらは私の意思決定において、非常に大切にしていた軸です。」とお話していました。

学生たちから寄せられた多くの質問

講演会の終盤では、学生たちからは堰を切ったように、たくさんの質問が。

「外交官になるためには、海外経験は必要ですか?」

「私にはたくさん夢があります。どのように進路選択をしていけばいいでしょうか?」

「行き詰まったとき、先生はどのようにして気持ちを立て直していましたか?」

「夢をかなえるために、最も大切にしていたことは何ですか?」

学生の質問に対して、一つひとつ丁寧に回答していく吉川先生。オンラインで講演会を聴講していた学生からも、チャット上に多くの質問が。積極的に質問をする学生たちの姿に、吉川先生はとても感心されていました。

『自分が生涯をかけて、やりたいことは何か』

―吉川先生より―

「誠実で正直者、そして約束を破らない。世界的に見て現在の日本人の評価は高く、戦後すぐの頃に比べると日本の外交官は世界を相手に仕事がしやすくなりました。しかしそれは、日本人一人ひとりの行動の積み重ねがあってこそ。皆さんの日頃の行いが、外交官の手助けになっているのです。自分自身の行動が、その国のイメージを創り上げることを忘れずに、夢に向かって頑張ってください。」

惜しまれつつ終演を迎えた今回の講演会。参加した学生一人ひとりの顔つきも、心なしか変わったような気がします。普段は聞くことができない貴重な話の数々に、学生たちはたくさんの刺激をもらったようでした。「自分の人生において、自分は何がしたいのか。」自身の未来は無限に広がっていることを気づかせてくれた、吉川先生の言葉。神田外語学院の学生たちの今後に期待です。