英語研修:お役立ち情報

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なぜ社員の英語力が向上しないのか?効果的な研修方法とは?

2023.01.12

グローバル化の波が押し寄せるビジネスの世界。そのなかで社員の英語力をアップさせようとさまざまな研修を行っていながら、なかなか成果が出ないという企業も少なくありません。そうした場合、まずはその原因を明らかにしたうえで、より効果的な研修方法を取り入れることが大切です。今回は、社員の英語力が向上しない理由を探り、その対応策としてどのような研修方法が効果的かを考察します。

そもそも、今なぜ企業が社員に英語を学ばせる必要性が増してきているのでしょうか。

まず、多くの企業で事業の海外展開や経営のグローバル化が進み、英語でのコミュニケーションが必須となっているという背景があります。例えば、海外市場の拡大やグローバルネットワークの連携強化を図るため、社内英語公用語化の動きを加速する企業が多くなっています。

また、新型コロナウイルス感染症拡大を機に対面での営業活動や商談などが控えられるようになり、英文eメールや英語によるオンライン会議による業務が確実に増加しています。非対面やオンラインによる業務が増えても英語の必要度は以前と変わりがなく、また、非対面であるために、むしろ英語でのコミュニケーションのハードルは高くなっているのです。

一方で、社員に英語を習得してもらう機会を用意しても、なかなか英語力が向上しないという問題が多くの企業で発生しているようです。そうした場合に課題となる点を、企業側(=研修担当者)、社員の両方の目線から見ていきます。

  1. 研修担当者が抱える課題感社員の英語研修担当者は、以下のような課題を感じています。
    • 社員のモチベーションが上がらない
      研修を実施しようとしても、やらされ感を訴える社員から、やる気、モチベーションを引き出せない場合があります。そもそも英語が好きではない、初級レベルで挫折した、テストスコアは高いが話せない、なぜ会社で英語が必要なのかと感じている……など、理由はさまざまです。しかし、いずれにしても「英語を学ぼう」という意欲が低いことが問題となります。
    • 初級レベル層の停滞
      あいさつや簡単な会話が何とかできる程度の初級レベル層が多いことに起因する問題もあります。一般的に、初級レベル層には上記の「モチベーションが上がらないケース」が多くみられることから、この点が全体の底上げや仕事で使えるレベルまでの向上を難しくしていると言えます。
    • 研修予算の制約
      企業にとっては、研修予算をどう効果的に配分するかというのも大きな問題です。初級レベル層には自助努力・自己啓発を促し、目安として、TOEIC500点程度以上を達成した初中級レベル層の社員に予算を厚く配分したいと思いながらも、その対象レベルに到達する社員がなかなか増えないことに課題感を持つ担当者も少なくないようです。
  2. 社員の抱える課題一方、社員側は、英語力を向上させられない理由として、以下のようなことを感じています。
    • モチベーションがない、もしくは低い
      学生時代に英語に挫折し、そもそも英語は嫌い・苦手という社員にとっては、英語の勉強を続けるのが難しいようです。「入社した時には、仕事で英語を使う想定はしていなかった」、「業務が忙しいなか、今必要のない英語を学ぶためになぜ時間をかけなければならないのか?」など、英語の学習に消極的な姿勢が問題となるパターンです。
    • 学び方を理解していない
      英語が嫌いというわけではないけれど、学び方をよく理解していないという人もいます。例えば、単語の暗記を繰り返すのみでいつまでも話せるようにならない、目標設定の方法や継続するコツを知らないなど、自己学習の進め方に問題のあるパターンです。

社員の英語力向上に必要なこと

社員の英語学習にはさまざまな課題があることが分かりました。それでは、実際に英語力を向上させるにはどのようなことが必要になってくるのでしょうか。ここでは、大切なポイントをいくつか紹介します。

  1. 英語研修を実施する理由、背景を明確にする「グローバルな事業展開ができなければ所属部署の業績に直結し、ひいては自社が生き残れない。そのために英語は必須」ということをトップの方針として社員に説明し、十分納得させることが必要です。社員の現在の業務や部署で英語が必要でなくても、将来の事業展開や組織運営において英語を使う場面が必ず出てくること、企業によっては、英語公用語化の可能性があることも、あわせて伝えておきましょう。英語力向上が自社の経営課題であることを社員にはっきり伝えきることで、「業務が忙しいなか、なぜ英語を学ばなければならないのか?」といった社員の疑問を減らし、モチベーションアップにつなげることが可能になります。
  2. 研修ゴールの明確化とカスタマイズ化業務上の英語の必要(緊急)度と求められるスキル(メール、会議、プレゼンなど)に応じた明確なゴール設定をしたうえで、その達成に向けた研修プログラムを準備することが大切です。その際、自社の業界、事業、担当業務や受講者のレベルに直結したカスタマイズプログラムにすることが研修成果を最大化することにつながります。カスタマイズには、事前に英語力のレベルやスキル、業務状況に関する精緻なアセスメントを実施し、その結果から各々のレベルやニーズに合致した最適な教材や講師を選定することがポイントです。
  3. オンライン化への対応これまでの対面コミュニケーションでは、仕草や表情などの非言語情報を使い、阿吽(あうん)の呼吸で意思疎通ができることもありました。しかし、コロナ禍以降、オンラインでのコミュニケーションが増加しているため、英語研修でも、レッスンで学んだことが実務にそのまま活用できる実践的なプログラムであるかどうかを見極めることが大切です。
  4. モチベーション強化のためのフォローアップモチベーション強化のためには、研修の「前後」において、社員が継続して学習できるようフォローすることも有効な施策となります。定例的にTOEICテストを実施したり、楽しみながら参加できる外国人とのイベントや「英語Day」を開催する企業もあり、英語に触れる機会をできるだけ多く設けるとよいでしょう。なお、社員の英語学習におけるモチベーションアップについては「社員に英語学習を継続させたい!モチベーションアップの方法は?」もご覧ください。
  5. 自己学習のサポート英語の学び方がきちんと理解できていない社員に、正しい学習法を伝えるセミナーや講習会を開催することもお薦めです。社員が楽しみながら継続して学ぶ習慣を身につけられるよう、サポートすることが大切です。

社員のモチベーションアップのために有効な英語研修とは?

これまで見てきたことを踏まえ、社員のモチベーションアップに有効な英語研修を行うためのポイントを、以下にまとめました。

  1. 研修の目的、ゴール設定の明確化社員に対して、なぜ研修を実施するのかを明確に説明し理解してもらうことが大切です。研修開始前に研修担当者自らが実施の背景とゴールをしっかり伝えるようにしましょう。
  2. カスタマイズ研修がおすすめ研修ゴールを達成するには、既成のコースより、受講者のニーズやレベルと目的に沿ったカスタマイズされた研修プランがより効果的です。研修のカスタマイズに当たり、事前に丁寧かつ的確なヒアリングとアセスメントを実施する研修会社を選択するとよいでしょう。
  3. オンラインへの対応日々の業務において対面での会議や打合せがオンラインに切り替わってきています。英語研修においてもこうした変化に対応する研修を行い、体験を重ねることで実務での対応力を高めていくことができます。オンライン形式においては、マンツーマンだけでなくグループレッスンにおいても対面形式と同等以上に質の高い研修が実施できる研修会社を選択することが大切です。
  4. 上司の支援と巻き込み受講社員の上司や関係者を巻き込みながら、受講者をサポートしましょう。モチベーションを保ちつつ学習を長く続けてもらうためには、受講状況や成果に対する関心と励ましが有効です。受講者の上司に、「研修はどう?順調?」といった声掛けを積極的に実践してもらいましょう。また、打合せや商談で本人の英語力を確認できる場があれば「以前よりうまく話せるようになったね」「外国人に対して物怖じしなくなった」など、研修受講前後の変化に目を向けてもらうことも大切です。
  5. 初級レベル層の底上げ初級レベル層の底上げは、研修担当者にとって最大の課題といえます。この層の社員が適切な英語学習法を理解し、「読む→聞く→書く→話す」の4技能をバランスよく高めていけるようサポートしましょう。まずは安心して基本事項を着実に習得してもらうため、日本人バイリンガル講師に研修を担当してもらうことを推奨します。
  6. イベントや定期テストの実施など研修受講者のフォローアップや英語への関心度を高められるよう外国人と気楽に楽しめるイベントや、英語に関する講演、セミナーなどを実施することもおすすめです。また、TOEICテストや定期的なレベルチェックテストなども活用するとよいでしょう。継続学習への取り組みの動機づけを行うことがポイントです。

適切な研修方法を選び、社員のモチベーションを維持させることが大切

社員の英語力が伸びない理由にはさまざまなものがあります。社員の英語研修を選ぶ際には、それらを加味しながら、個々の社員のスキルを効率的に伸ばせるレッスンを選択することが大切です。また、研修終了後も社員が学習のモチベーションを維持できるよう、教材や学習方法についてアドバイスを行うとよいでしょう。

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