仲代表の「グローバルの窓」

仲代表の「グローバルの窓」

第66回 “We can’t have business discussions if there are gaps in our knowledge of the energy market, so let’s have study sessions every day!“ (エネルギー市場の知見に格差があるとビジネス討議もできないので、毎日、勉強会をやりましょう!)

2024.05.07

勉強会の提案

「仲さんはスマートエネルギー(スマエネ)ことがまだよくわからないと思いますので、3か月ほど毎日ブレーンストーミング的な勉強会をやりませんか。エネルギー市場は、ある程度の知見がないと議論も噛み合いませんので、ぜひ考えてみてください」

 これは、私より年配の方からのご提案でした。私のグループは、技術系2人、営業・マーケティング系4人、それに私の7人でした。年配の方は、NECに来る前から電力系のビジネスをされていて、スマートエネルギーの知見はとても豊富でした。これは非常にありがたい提案でしたので、私は即座に了解し、毎日1時間の勉強会が始まりました。

 みなさんから電力業界のことやエネルギー市場の最新動向、それからビジネス状況などをインプットいただきました。実際のビジネスはエネルギーソリューションを提案していくものでした。2010年頃からNECはハードウエアやソフトウエアの販売からソリューションを提供する会社に脱皮しつつありました。そのため、私が入社以来やってきた量販ビジネスは、携帯電話事業の撤退でほとんど姿を消しました。私自身も最後は全く未知のソリューション事業をやってみたいと思っていました。金融、製造、流通などほぼ全業界にわたり、会社はソリューション事業を展開していましたが、エネルギー業界は、市場の電力自由化の動きにともない、ビジネスチャンスが生まれると見られていました。そこに会社も着目し、戦略的な新規事業としてスマートエネルギー事業本部を発足させたのです。

 業界、市場が新しい動きを示す中、グループのみなさんから情報を共有いただき、勉強会を毎日欠かさず行いました。勉強会は私のためだけではなく、みなさんにとっても意味のある会にしました。私は疑問に思ったことはすぐに質問しましたが、そのことがよかったみたいです。みなさんにとって私の質問は馬鹿げたものもありましたが、質問されて、あらためて考え直すこともあったようです。3か月続けましたが、この勉強会で私はほぼキャッチアップできましたし、みなさんとどうやったら再生可能エネルギーのソリューション事業を展開できるかいろんな角度から議論できました。情報インプットとブレストをじっくりやることができたのは非常にありがたく、グループのみなさんに感謝でした。

南イタリア出張

 スマエネ事業部の海外展開は、北米の蓄電池の会社を買収して、蓄電池事業を一つの核として展開する計画でした。私のグループは、再生可能エネルギーの導入に積極的な欧州市場を中心に拡販することがミッションでした。既に南イタリア(カラブリア州キアラバッレ)に風力発電用の蓄電池システムを実証試験用に設置していましたので、私の最初の仕事は南イタリア出張でした。常務のプレス発表をサポートするのが目的でしたが、イタリア時代には行ったことのないカラブリア州の田舎町を訪問できたのはいい経験でした。カラブリアの山々に風車がいくつも立ち並ぶ景観はなかなか見ごたえのあるものでした。蓄電池は風力発電で得た電力を貯めておき、電力消費のピーク時に供給できるようにするためのものでした。蓄電池システムを活用して、再生可能エネルギーによる電力オペレーションの需給効率を上げるかという価値を提供するのが有力なソリューションでした。

ターゲット市場はイタリアからドイツへ

 かつて出向したイタリアの現地法人は、すっかりメンバーも変わっていました。携帯端末事業がなくなり、イタリア会社では新たにスマエネ事業で立て直そうとの機運が高まっていました。南イタリアの出張のあと、私はイタリア会社の社長(イタリア人)と議論して、ビジネスプランを支援しました。それをイタリアの社長から常務に説明する場を設定しましたが、そのミーティングはうまくいきませんでした。その理由は、イタリア会社のプランが今一つ意欲に欠いている印象を与えたことと北米の蓄電池会社に投資をしたあとのスマエネ事業本部としては、なかなか簡単に投資に踏み切れない状況があったからです。

 ソリューション事業では、PoC(Proof of Concept=新しいアイデアや技術の実現可能性を検証する作業、概念実証のこと)を起こし、継続的に実証しながら提供価値を高めていくやり方が求められます。機器という完成品を提供するやり方とは根本的に違ってきます。これまでとは全く違うビジネスモデルに私はチャレンジ精神をくすぶられていました。ただ、量販商売のような短期で大きな売上が上がるビジネスではなく、実証試験をとおして着実に進めていく必要がありました。

 しかし、イタリア会社の社長は期待していたスマエネ事業も思ったように前に進まないと見るや、会社を去りました。私は次のターゲットを太陽光発電導入に積極的なドイツに当てました。グループ上げて、ドイツ市場をどう攻略するかブレストを開始しました。最初の頃の勉強会ではなく、実際のビジネスプランを私のグループ主導で策定しようと再びブレストの日々が始まりました。そして、ドイツにはなんと30年前にディスクドライブのビジネスを一緒に立ち上げたハーターがドイツのエネルギー業界で活動していたのです。

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