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英語落語の発表会を開催しました

2016.03.09

「英語で落語を楽しもう!」の授業を履修している学生による英語落語の発表会が、2月23日(火)に神田外語学院で行われました。
この授業は、3学期の自由選択科目の授業として毎年開講しています。神田外語学院では、3学期(1~3月)は主要共通科目と各学科の専門科目のほかに、学科の枠を越えて幅広い分野の授業を選択履修することができます。

この授業では日本の伝統文化である「落語」を学び、さらにそれを英語で行うことにより、海外へ日本の文化を発信する力を養います。履修した学生たちは、この授業で基礎から落語を学び、約2カ月間という短い期間でそれぞれの発表に向けて練習をしてきました。

発表会では、学生たちは最初は緊張している面持でしたが、徐々に表情も柔らかくなり、会場は17名の学生たちによる個性あふれる発表で笑いに包まれました。

講師の須藤先生は、神田外語学院と姉妹校の神田外語大学で英語を教える傍ら、別名『鹿鳴家英楽』(かなりやえいらく)の名で落語家としても活躍されています。「楽しく英語を学ぶ」という想いが込められたその高座名の通り、国内外において英語での落語公演や落語の普及活動を行っています。

須藤達也先生プロフィール

愛知県生まれ。上智大学外国語学部卒業。テンプル大学大学院卒業、教育学修士。落語は立川談志に強い影響を受け、1983年に落語立川流が創設された直後に立川流に参加。英語落語は、同じ頃英語落語を始めた上方の桂枝雀の活動に触発されたことが始めるきっかけとなり、現在「キャナリー英語落語教室」を主宰している。落語の他、色物としてウクレレを弾き、端唄、俗曲、都々逸、Jポップスなどを日英両語で歌う活動もしている。

履修学生インタビュー

アジア/ヨーロッパ言語科スペイン語コース2年 酒井悠果さん(東京都立晴海総合高校出身)

小さい頃からテレビ番組で落語をよく見ていて興味があったので、英語でやってみたらどうなるのだろう?という気持ちからこの授業を選択しました。最初に英楽師匠から、落語の構成である「まくら・さわり・おち」や、上手と下手について、扇子や手ぬぐいの小道具としての使い方など、基礎的なことを学びました。その後に発表する話を選び、英楽師匠の指導を受けながら発表に向けて練習をしてきました。英訳を見て、「英語だとこういった表現方法になるのか」と勉強になる部分もあり、さらに英語ならではのオチの付け方などもあり、楽しみながら学ぶことができました。英訳をただ覚えるだけでなく、落語ならではの表現方法や演じ方についても英楽師匠から指導をいただけたことがとても勉強になりました。
今回学んだのは江戸落語でしたので、江戸の人情味溢れる世界を知り、落語にさらに興味を持ちました。それと同時にひとを笑わせるのは難しいということも痛感しました。今後は、日本に来た海外の方たちに英語落語を見て貰える機会があると嬉しいと思っています。
その他 履修した学生の感想

授業を選択した学生のほとんどが落語初心者でしたが、その多くが「海外の友人に対して英語で落語をできるようになりたい」「小さい頃からテレビで落語を見ていて興味があった」など、日本文化を学び、さらに海外に向けて発信したいという理由から、英語落語の授業を選択していました。履修した学生の感想をいくつかご紹介します。

・一人で二役、ときには三役以上の役を演じ分けたり、上手と下手で立場を使い分けたり、扇子や手ぬぐいを小道具とした扱ったりと、セリフだけでなく動作での表現の幅の広さに驚きました。

・セリフ自体も言葉遊びに富んだ日本語を英語に訳しているので、「これを英語で言うとこういった表現になるのか」と勉強になり面白かったです。
・もっとうまく聴衆に伝える方法、面白く伝える方法を試行錯誤して練習して、本番でうまく伝わったときに嬉しく感じました。この授業を通して、落語や日本の歴史・文化についてさらに学びたいと思うようになりました。
・授業の中で、日本の歌を英語で歌うということもしましたが、日本語の歌詞とその英訳を比べてみたときに、英語での表現には限りがあるとも感じました。改めて日本語の表現の美しさや趣深さを再確認できました。
・落語がブームとなっていて、最近では落語のアニメもやっています。今回の授業で落語について学ぶことが出来たので、今後は学んだことを伝えていけるようになりたいと思います。