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【外務省在外公館派遣員】インドに飛び立つ国際エアライン科の学生にインタビュー

2022.03.10

インド在ベンガルール日本国総領事館に赴任する佐々木 菜摘さんをご紹介します

国際エアライン科 2年 佐々木 菜摘さん

ご自身について

小学生のときに英会話教室に通っていたことや、海外ドラマなどを見ていたことがきっかけで、自然と海外に興味をもちました。中学生のときには、はじめてカナダに2週間の語学研修に行き、大自然の中でキャンプをしながら英語でアクティビティをしたり、ホストファミリーの家での滞在を通じて、より海外に惹かれていきました。高校は都立国際高校に入学し、3年生のときにアメリカに1年留学しました。現地の高校で異文化理解を深め、語学力を磨きました。その後、国際社会について学びたいと思い大学に進学しましたが、やはり言語を専門的に勉強したいという気持ちと、社会で働く前に人間力を鍛えたいという思いから、神田外語学院の国際エアライン科に入学しました。

在外公館派遣員を志したきっかけ

神田外語学院の『「∞」グローカル教養講座』(※1)に参加したことがきっかけで、在外公館派遣員(※2)について知りました。その時には既にIT系企業から内定をいただいていましたが、在外公館派遣員ではこれまで国際エアライン科で学んできたことを直接生かすことができると感じたこと、また、海外の公館で働くという貴重な経験が積めることに魅力を感じ、IT系企業への就職という道ではなく、本制度への応募を決意しました。

 

※1 「∞」グローカル教養講座:
“「∞」の皆さんが、「∞」の領域(内外)にわたり、「∞」に学び続ける” ことを願ってこの講座名とし、主に外務省在外公館派遣員を目指す全学年の学生を対象に開講しています。内容は以前より開講されていた「+α・β」グローバル教養講座を継承するもので、「+α」と「+β」を融合的に学ぶべく集大成したものです。ここで学ぶ目的は以下のとおりです。

 

① 文理の枠を超えた、グローカル教養として幅広く、出来るだけ多くの分野を統合したものから学ぶこと
② 自分と異なる多様な文化的背景をもつ人々との出会いの場を自らが積極的に設け、さまざまなことを語り合うことにより、相手の立場に立って物事を見る目を養うこと
③ 日本語できちんと筋道を立てて話し、書ける能力の基本を養うとともに、自らがグローバル社会に対して情報発信し、世界の人々にも理解してもらえる説明(プレゼンテーション)力を向上させること

 

※2 在外公館派遣員:
日本国籍をもつ18歳以上の青年が、海外にある日本の在外公館(大使館、総領事館、政府代表部、領事事務所)に原則2年の任期をもって派遣されるものです。主に外交のサポートや館内事務補佐などの実務面にあたる傍ら、国際社会での経験を積み、友好親善に寄与するというもので、外務省からの委託により国際交流サービス協会が1973年から実施、継続している制度です。

在外公館派遣員試験の対策について

毎週、『「∞」グローカル教養講座』に参加し、久保谷先生にご指導をいただいていました。元々、応募を決意してから試験まで時間がなかったこともあり、毎週のように相談に乗っていただきました。手厚くご指導してくださった先生には本当に感謝しています。試験までは、受験言語の英語以外に教養科目の勉強に力を入れました。一度出てきた用語やその背景知識はその場で覚えるつもりで全力で取り組みました。面接試験は、あえて対策はせずに自然体の自分で臨むことを心掛けました。神田外語学院の授業で、日頃から自分の言葉で発表をする機会が多かったことや、第10回全国学生英語プレゼンテーションコンテストで優勝した経験などから、人前で話すことに更に自信をもてるようになりました。

第10回全国学生英語プレゼンテーションコンテスト
最優秀賞 受賞の様子(写真左)

赴任にあたっての抱負

2年間の任期はあっという間だと思うので、これからの自分の選択肢を広げるためにも色んなことに挑戦して、自らアクションを起こしていける人になりたいと思います。初めて社会人として携わる責任ある仕事のため、不安もありますが、一つひとつのご縁を大切にしながら職務に励んでいければと思います。プライベートでも、個人的に興味のあるヨガやアーユルヴェーダ(インドの伝統的医学)など南インド発祥の文化を学び、心身ともに日々健康に過ごせるように心掛けたいです。

在外公館派遣員を目指す皆さんへ

学んだ言語を活かして職務経験を積むことは、大変貴重な経験になると思います。興味をもった方には、是非挑戦していただきたいです。また、大変なときには、在外公館で働く自分の姿を想像するだけでも夢との距離が近づきモチベーションになると思います。決して遠いものとは思わずに、自信をもって挑戦してみてください!

<神田外語グループにおける在外公館派遣員試験の合格実績>

2009年から2022年3月現在まで、神田外語学院/神田外語大学(姉妹校)の在学生・卒業生208名が外務省在外公館派遣員試験に合格し、これまでの派遣国は世界80か国に上ります。
また、外務省職員として44名の卒業生が霞が関本省や海外の公館で活躍中です。

これまでの派遣国一覧

アジア インド/インドネシア/韓国/カンボジア/スリランカ民主社会主義共和国/タイ/中国/ネパール/パキスタン/バングラデシュ/東ティモール/フィリピン/ブルネイ・ダルサラーム/ベトナム/ミャンマー/モルディブ/ラオス
大洋州 オーストラリア/ニュージーランド/バヌアツ/パプアニューギニア/ミクロネシア
北米 アメリカ/カナダ
中南米 ウルグアイ/エルサルバドル/キューバ/グアテマラ/コロンビア/チリ/ドミニカ共和国/トリニダード・トバゴ/ニカラグア/ハイチ/パラグアイ/バルバドス/ブラジル/ベネズエラ/ベリーズ/ボリビア/ホンジュラス/メキシコ
欧州 アイスランド/アイルランド/ウズベキスタン/エストニア/オランダ/ギリシャ/クロアチア/スペイン/スロベニア/セルビア/タジキスタン/ドイツ/ハンガリー/フィンランド/ラトビア
中東 アラブ首長国連邦/イスラエル/イラン/オマーン/クウェート/サウジアラビア/トルコ共和国/バーレーン/ヨルダン
アフリカ アンゴラ/ウガンダ/エジプト/エチオピア/ガーナ/ケニア/ジブチ/ジンバブエ/スーダン/セーシェル/タンザニア/マラウイ/南アフリカ共和国/モザンビーク
国際機関 アフリカ連合日本政府代表部/東南アジア諸国連合(ASEAN)日本政府代表部

<外務省在外公館派遣員のすゝめ>

「異文化や外交の仕事を肌で感じて次のステージを登りつめよう!」

 

海外で活躍したいという目標をもつ学生たちのキャリアの選択のひとつに、外務省在外公館派遣員制度があります。在外公館派遣員の採用試験には、外国語のほかに教養、作文、適正検査、面接などがありますが、内容は公開されていないので、不安に感じている人が多くいます。しかし、私は一般企業の就職試験と大差はないととらえています。在外公館でも、企業と同じように共に働きたい人を求めているのです。外国語の能力だけではなく、グローバルなマインドや基礎的な教養を備えているか、社会人として人と接することができるかどうかが問われているはずです。

 

専門学校や大学で外国語を学んだ学生が、能力をすぐに活かして海外の公的機関で働くというのは、一般的には経験できないキャリアです。また、神田外語学院は、多数の派遣員試験合格者実績のある専門学校です。ただ、派遣員になることは、ゴールではありません。現地の文化、風習、習慣を肌で感じながら自分自身を高めて、次のステージを登りつめてほしいですね。

 

神田外語大学 グローバル・コミュニケーション研究所 久保谷 富美男(アカデミックフェロー)

<『「∞」グローカル教養講座』を開催>

在外公館派遣員には、通常カリキュラムの外国語に加え、コミュニケーション能力、グローバル・マインド、基礎教養などが必要となります。それらを総合的に学ぶため『「∞」グローカル教養講座』を開催しています。

 

「∞」グローカル教養講座は、グローバル・コミュニケーション研究所が主催しています。先輩たちの体験の蓄積をもとに、同じ志をもつ仲間とともに地道な学びを継続しています。これから入学される新入生並びに在学生・卒業生の皆さんも希望される方は、いつからでも参加可能ですので、下記まで気軽にお問い合わせください。

お問い合わせ

神田外語大学 グローバル・コミュニケーション研究所
久保谷 富美男(元在オランダ日本国大使館派遣員)

TEL:043-273-2324
E-mail:kubotani@kanda.kuis.ac.jp