学生たちは、とある旅行会社のスタッフという設定。まずは国を選定し、現地の観光局や旅行会社のホームページ、現地に住む人のブログなどから最新の情報を収集。世界遺産、その土地ならではのアクティビティ、穴場のレストランなど、学生たちの想いを詰め込んだ旅のプランが次々に紹介されます。移動手段や所要時間も考慮し綿密に練られたプランの提案は本物の旅行会社の社員さながら。プレゼンテーション中は各国の民謡も聞こえてきて、まるで世界中を旅しているかのような気分になります。
審査員席には授業や研修でお世話になった企業や各国の観光局、大使館の方々の姿が。自分たちのプランにいくらの価値をつけるのかということも、この発表会の見どころ。この旅行代金でツアー催行は現実的なのか、審査員が厳しくチェックします。ツアープランニングのプロフェッショナルとリアルタイムで議論を重ねることで、学生のプランにより磨きがかかります。
今回の学生たちは新型コロナウイルスの影響を大きく受けた世代。彼らの入学直後の授業はすべてオンラインで実施され、旅行業界の採用は例年よりも縮小した状態での就職活動を余儀なくされました。しかしその懸念とは裏腹に、国際観光科の学生たちは素晴らしい進路実績を残しました。観光業界に就職する学生もいれば、物流業界などの全く異なる業界に進む学生、一方大学に編入学する学生など、その進路は十人十色。道は違えど、彼らが口をそろえて話すことは「国際観光科で学んだことは一つも無駄にならなかった」ということ。最後に国際観光科の学生からメッセージをもらいました。
―観光産業を学ぶことに不安を感じている高校生の皆さんへ―
「観光は『潰しのきかない分野』だと思われているかもしれませんがむしろ逆。国際観光科で学んだことはあらゆる分野に活かせて、無駄になったことは一つもありませんでした。グローバルな視点やスキルを身につけたいなら観光学はうってつけです。そして何より国際観光科の授業は本当に実践的で楽しいものばかり。ツアーガイド研修や添乗員研修などで楽しく学べて、そのうえ国家資格まで取得できてしまうんです。就職のことを気にして観光を学ぶことを諦めるのは本当にもったいないです!」