神田外語グループのいしずえを築いてきた人々

第28回 宮内孝久神田外語大学第6代学長 言葉の学びが人生を楽しく生きる礎となる

AI時代だからこそ言葉を学ぶ意義がある

世界は今後、AIの活用を前提とした社会へと進んでいく、AIが人間を支配する恐ろしい時代になるかもしれません。あえて強い言葉で言うとAIの奴隷にならないよう、主体的に生きるために言葉を学び続けなければいけません。

私たちは、言葉を学び続けることで「自分は今何を感じているのか」「何が大事で、何に違和感があるのか」ということを自分の言葉で説明しようとしますがこれが難しい。それができる人は誰かが用意したシナリオや「こう考えなさい」という枠組みに流されることなく「本当に自分で決めていることなのか?」と立ち止まることができます。

逆に、言葉にする訓練ができていないと選ばされているのに「自分で選んだ気」になりやすい。あえて強い言葉で言うならば言葉を持たない人はAIの奴隷になりやすいのです。ここでいう「主体性」とは気合や根性のことではありません。自分の経験や違和感をいったん言葉にして考え直す力のことです。いわゆる、Critical Thinkingです。

実際、外国語を学ぶと「世界ってこういう切り口もあるんだな」と何度も思い知らされます。モノゴトの見方はひとつじゃないということを否応なく体験させられます。だから、外国語は単に通じ合うための道具ではないのです。自分で批判的に考え続け、決め続けるための、そしてAIの奴隷にならないためのトレーニングなのです。

AIにはできない部分があります。例えば「問いを立てる」ことは既存の枠組みの中においてはAIの方が得意でしょう。一方で「ぬくもり」「空気を読む」、そして、「覚悟を持つ」「意思決定をする」「責任を取ること」、つまり「引き受ける」ことは人間の存在そのものです。人間は、情念を発露として問いを立てるのです。

人間の存在とは何か。そのひとつは「言葉」です。外国語を学ぶことは、異なるさまざまな文化を学ぶことであり、最終的には母語を、自国の文化を、そして我を知ることになります。

我を知る。それは、自分の「生き方」を知るということでしょう。AIに教えられるのではなく、自ら考え、学び、悩み、対話し、そして納得する。ふに落ちる。言葉を学ぶことで、誰にも奪われない生き方、そして信念を手に入れることができるのです。

さて、言葉を学んだ私たちは「平和の礎」となれるのでしょうか。紛争は太古の昔から、今、この瞬間まで続いています。今後も決して収まることはないでしょうが、解決しようとする意志が大事なのです。

紛争の解決にはコミュニケーション力が必要です。そして、役割に応じた専門知識と、背景を理解する教養が必要です。国際社会で当事者を説得するには、法律の知識、歴史の知識、そして合意形成に関する訓練が必要でしょう。

外国語による高いコミュニケーション能力と、世界の平和を実現するために必要な能力を養う場をつくっていく。その学びを確立できれば、神田外語大学は、とてもとがった、光り輝く大学になっていくと思います。

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取材・文:山口剛

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