神田外語グループのいしずえを築いてきた人々

第28回 宮内孝久神田外語大学第6代学長 言葉の学びが人生を楽しく生きる礎となる

コロナ禍が後押しをした教育の進化

学長2年目が終わろうとしていた令和2(2020)年2月、新型コロナウイルスの感染拡大が本格化し始めました。今思えば、コロナ禍は人類の歴史でもパラダイムシフトと言える大きな出来事だったと思います。

コロナ禍以前、神田外語大学をはじめとする国際系の大学は、グローバリゼーションによって、モノとヒトの流れが自由に行われることを前提に教育プログラムを組んでいました。その柱のひとつは留学です。外国へと飛び出し、現地で言葉や文化を学ぶ。コロナパンデミックによって、これが一気に崩れました。

それどころか、移動が制限され、学校にすら来ることができない。私が念頭に置いたのは、いかなる環境においても「私たちの教育活動は止めずに継続するんだ」という強い決意でした。

私は、以前から日本のDXは世界と比べると2周ぐらい遅れていると感じていました。だから、コロナによる制限は、日本のDXを進める大きなチャンスだと捉えて、他大学に先駆けて教育のオンライン化施策を打ちました。この分野が得意な教職員のリーダーシップのもと、2020年の新年度から途切れることなくオンライン教育を導入することができました。

コロナ禍は、私たちに「世の中は思い通りにいかない」ことを改めて教えてくれました。何が起きても正面から受け止め、乗り越えていくしかない。さまざまな不自由はあったかもしれないが、それを乗り越えられたのはいい試練になったと思います。

そして、副次効果として、「いつでもどこでも世界とつながれる」というオンラインの恩恵を肌で感じられました。コロナ禍がなければ、計画的にオンライン化を進めても、これほどの実感を得られたかどうかは定かではありません。コロナは災いであり、外圧であるけれど、新しいコミュニケーションの在り方を学べた機会だったと捉えています。

私自身は、YouTubeを使って学生たちにメッセージを発信し続けました。本学は、コミュニケーションを専門とする大学です。コロナ禍で何かを学生たちに伝えるのであれば、公式な文章を発表するのではなく、プライベートな感覚で触れられるSNSもいいと思い、YouTubeを活用しています。

でも、実際に取り組んでみるとは本当に発信は難しい。なかなかアクセスも増えない。それもやってみたから分かることです。難しいということを認識したうえで、コミュニケーションに挑戦していくのが、本学の姿勢ですからね。

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写真撮影:塩澤秀樹
取材・文:山口剛

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