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学長に就任する際に、私が強く思ったのは「ビジネスとアカデミアの橋渡しになる」ということでした。
大きな柱はキャリア教育です。単に企業とのパイプを強くして、就職率を上げるという意味ではありません。目指すべきは、人生を豊かに、楽しく生きることのお手伝いです。モットーは「面白おかしく元気よく」です。

人がモノゴトを自分で判断し、人生を選択できるようになるには、Liberal Arts的考え方、すなわち、哲学、文学、音楽や、論理的で科学的な考え方を身に付けるとよいと思っています。私は、世の中で言われているキャリア教育とはこれらの素養を身に付けて、いかに生きるかを考えるための教育と定義すべきと考えています。つまり、キャリア教育とは人が生きるうえで必要な基本的な知識教養と考え方を身に付けることなのです。
AIが席巻する時代にサイエンスのセンスは不可欠です。しかし、外国語やコミュニケーション、言語学を学びたくて入学した学生たちに物理や数学を学べと言ってもビックリしますよね。そこで、「デジタル・シチズンシップ」という入門講座のかたちで、情報についての学びを必修化しました。ちなみに数学者である河添健副学長が学生たちにサイエンスの面白さを教えてくれます。
キャリア教育センターの強化では、NHKの「ラジオビジネス英語」講座の名物講師も務める柴田真一教授にセンター長をお願いしました。国際的金融パーソンとして、ロンドンとフランクフルトに20年以上駐在されて世界の国際会議にて非常に高度な英語を使いこなす方が、センターの活動を盛り上げています。また、キャリア教育科目を必修にしたことで学生たちのキャリア形成への取り組みの底上げを図ることもできました。

私自身は「学長講座」を担当しました。長年、商社で築き上げてきたネットワークを生かし、国際的に活躍するビジネスパーソンにも講義をしていただきました。神田外語大学は7割が女子学生ですので未来に向かって学ぶ女性たちが、幸せな人生を切り拓くためのロールモデルとして女性講師に登壇してもらいました。
ガラスの天井を破って活躍している方ばかりですが、皆さん、それぞれに苦労をされている。とてもすてきな笑顔で話をしてくれるけれど、その背景には並々ならぬ努力がある。女子学生たちに、その現実を知ってほしかった。苦労はするけど、トライした方がきっと人生は楽しくなる。そういう思いで、講義をお願いしました。
ちなみに失敗して後悔するよりも、挑戦しなかったことを後悔することって結構あります。私の場合、留学をしなかったことを今でも悔やんでいます。