異文化理解の先駆者たち

第5回 クリフォード・クラーク『日本人とアメリカ人、その懸け橋として』

自分にも人のためになれることがある
その気づきは、きっと情熱を生み出す

4つ目は、柔軟さを楽しむことです。「すでに自分のやり方がある」なんて言わずに、「じゃあ、やってみよう」と思ってください。ひとつの型にこだわると、グローバル社会での成長と能力の開発を妨げます。数多くの方法を取り入れたら、あなたはどんなことができるようになるでしょうか? それはきっと、グローバル社会でこれから起こりうる変化への備えになるはずです。新しい方法を取り入れて変化しても、自分を失うことなどありません。変化は視野を広げてくれるはずです。自分の柔軟性を試し、居心地の悪い場所へと足を踏み込んでください。成長は速くなるはずだし、世界へと向かう準備はもっと進むはずです。あなたは、どんな自分になるかを自分でディレクションできるのです。

そして、好奇心を抱いてください。異文化コミュニケーションを学ぶ基本は、すべてに関心を持ち、新しいこと、新しい思想や習慣を受け入れる意思と柔軟さを持つことです。英語を話すようにね。グローバル社会で役立つことを学ぶには頭で考えているだけでは駄目。新しい考えを表現し、自分が学んだことを基にして行動してみるのです。好奇心は、あなたの人格を大きく広げます。創造力は、新しいことや自分の予想とは違うことすべてに好奇心を持つことから生まれます。うまくいくコツは、他人の考えや行動に対する評価をとりあえず脇に置いておき、相手の考えや行動の奥底にある意味を探っていくことです。

自分の可能性や関心、そして社会のニーズに想いをめぐらしながら、自分の夢を描いてください。単なるアイデアからは情熱など生まれません。ぜひ、挑戦し、行動してください。大切なのは、その行動で得た新しい役割を、あなたがどう感じるかです。ボランティアでもいい。インターンシップでもいい。新しいことにぜひ挑戦してください。自分がどんな形で人のためになるかを見つめてください。きっとそこから情熱が生まれてくるはずです。(9/9)

クリフォード・H・クラーク(Clifford H. Clarke)
1940(昭和15)年、アメリカ生まれ。1948(昭和23)年に来日し、17歳まで日本の京都で暮らす。デューク大学大学院を修了後、スタンフォード大学大学院に進み、博士課程満期退学した。その後、国際交流教育の仕事に携わり、1967(昭和42)年にはコーネル大学で「異文化コミュニケーション・ワークショップ」を、 1976(昭和51)年にはスタンフォード大学で“Stanford Institute for Intercultural Communication”を創始した。1980(昭和55)年にはクラーク・コンサルティング・グループを設立し、以後約20年間で日米の約300社のコンサルティングを手がけ、異文化コミュニケーションの側面から企業の課題解決に尽力。現在は、富山県出身で大学教員の日本人女性と結婚するとともに、京都を拠点にグローバル教育やグローバルビジネス分野での貢献を目指し、活動に務めている。

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取材・文:山口剛

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