異文化理解教育の先駆者たち

第10回 宮崎新名城大学准教授『人生を拓くコミュニケーションへの気づき』

コミュニケーションは、さまざまな立場の
人の「声」に耳を傾ける手段となりうる

近年、人工知能(AI)の普及が進むにつれて、人間の職業が脅かされるのではといわれるようになりました。AIとは何か? それは「学習・推論・判断といった人間の知能が持つ機能を備えたコンピューターシステム」を意味します。あくまでコンピューターシステムなのに、「人工知能」と呼ばれることで、どこか人間的なものを我々は感じてしまい、競争の対象として見てしまいます。

でも、人工知能は人間が競い合う相手ではありません。人間が相対するのはあくまで人間であり、コンピューターではありません。そして、そこにはコミュニケーションが介在します。コミュニケーションを学ぶことで自分たちの役割である人間同士の関係をより適切なものにしていけるのです。

今思えば、神田外語大学は本当に多くのきっかけをくれた場所でした。コミュニケーションに関する先進的な学びや異文化に触れる留学の機会。音楽などの学生活動を寛容に許してくれた自由な校風。そして、自然なかたちで導いてくれた先生方の存在。言葉にすると恥ずかしいですが、やはり神田外語大学から得たことは非常に大きかったと思います。

今、日本の大学ではグローバル化を合言葉に英語やコミュニケーションの教育が盛んに行われています。その背景には日本の大企業が世界での競争力を高めるために英語やコミュニケーションに長けた人材を必要としている事情があります。でも、この分野の学生にはさまざまな人生の道筋があるはずです。どうか、惑わされずに自分自身の学びの意義を探求してほしいと思います。

言葉は、そしてコミュニケーションは決して強い者の利益のためだけにあるのではありません。私たちの生活にとって身近なものであり、その時代を生きるさまざまな立場の人の「声」に耳を傾けるための手段となりうるのです。コミュニケーションを学ぶ学生たちには、ぜひその視点を持っていてほしいですね。(8/8)

宮崎新(みやざきあらた)
昭和54(1979)年11月長野県佐久市に生まれる。平成10(1998)年4月神田外語大学外国語学部英米語学科に入学。平成14(2002)年3月に卒業、平成16(2004)年9月より米国のミシガン州ウェイン州立大学大学院コミュニケーション学研究科コミュニケーション学専攻に進学。平成24(2012)年5月、同大学で博士号を取得。帰国後は名古屋市に拠点を移し、名古屋外国語大学の専任講師を経て、現在、平成28(2016)年4月から名城大学外国語学部国際英語学科准教授として学生の指導にあたっている。

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