CULTURE

小麦粉要らずの美味しいもの!(2)

2022/02/24

―タピオカ粉をつかったタイのお菓子「カノム・カイノッククラター」―

タピオカといえば?

あの黒いツブツブ?

だけじゃない!

ほかにもタピオカをつかった料理はたくさんあります。

 

今回はタイのお菓子、カノム・カイノッククラターの作り方を紹介します。

サツマイモとタピオカ粉をコロッと丸く揚げたお菓子です。

小麦粉をつかわないので、小麦アレルギーのあるかたにもおススメです。

カノム・カイノッククラターは、タイ文字で ขนมไข่นกกระทา と書きます。

「うずらの卵の菓子」という意味です。

卵は使いませんが、大きさがちょうど、うずらの卵くらいです。

実際の発音は、カノ・カイ・ノッ・ガターみたいに聞こえるかも。

 

タイでは屋台で揚げたてを売っています。

安くて手軽な庶民派お菓子です。

下の記事には屋台のオーナー夫婦のお話しがのっていますが、小さな元手で、まあまあ儲かるそうです。

この屋台オーナーの夫婦はもともと会社勤めをしていたけれど、子供が増えて生活費が足りなくなったので自営業に転身し、果物売り(大変だった)、揚げ小魚売り(原料が不足した)、南部カレー売り(薄利だった)、揚げナマズ売り(殺生に罪悪感をおぼえた)を経て、最終的にカノム・カイノッククラターなどを扱うタイ菓子屋台(儲かるじゃん!)に落ち着いたとのことです。

 

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以下は日本の家庭でもつくれるカノム・カイノッククラターのレシピです。

道具に「ポテトマッシャー」(お芋潰し)があると便利です。

 

【材料】(60個分くらい)

1)サツマイモ 300g

2)砂糖 45g

3)タピオカ粉(タピオカスターチ) 100g

4)塩 少々

5)ベーキングパウダー 5g

6)牛乳 70mlくらい

 

 

【作り方】

(1) まぜる

①サツマイモを洗って皮をむき、大きくぶつ切りにし、柔らかくなるまで蒸す(20分ほど)。

②蒸したサツマイモをしっかり潰す。

③サツマイモがまだ温かいうちに砂糖を入れて、混ぜる。

④タピオカ粉、ベーキングパウダー、塩を混ぜて、③に加える。

⑤耳たぶの柔らかさになるまで牛乳を少しずつ入れながら、こねる。

★ポイント: 牛乳を入れすぎてベチャベチャにならないように調整する。

⑥なめらかになったら、うずらの卵くらいの大きさに丸める(下の写真)。

(2) 揚げる

⑦深めの鍋に油をたっぷり入れて、中火。油が熱くなってきたら、弱火に。

⑧丸めたうずらの卵たち(サツマイモ&タピオカ粉)を適度な数、鍋に入れて、また中火に。

★ポイント: 互いにくっつかないよう、ゴロゴロかき回す。

⑨うずらの卵たちが浮いてくる。

⑩キツネ色になってきたら、下の動画のように、ポテトマッシャーをつかって中くらいの力で押し潰しながら中の空気を出す。全体がふくらんだら完成(揚げすぎると焦げるので注意)。

★ポイント: 潰すタイミングが早すぎると、ペチャンコのまま戻らなくなってしまう。押し潰してもすぐまた丸くなる頃合いを見計らうのがコツ。

 

下の写真のように中に空洞ができていれば成功です。

揚げながら押し潰す過程が、ちょっと難しいけれど、うまくいくと楽しいです。

揚げ物なので、アツアツで食べてくださいね。

考えてみよう♪

タピオカってなんだっけ?

キャッサバの根っこですよね。

キャッサバってなんだっけ?

キャッサバはタイの主要農産物の1つです。

またバイオエタノールの原料でもあり、タイではこれを混ぜた自動車用の「バイオエタノール混合ガソリン」が広く使われています。

日本ではどうでしょう?

身近に感じないかもしれないけれど、実はキャッサバは日本の私たちの生活には欠かせません。

コンビニのパンにも、化粧品や医薬品にも、段ボール(接着部の糊)にも使われているみたいですよ。

詳しくはコチラ: 井芹信之(2016)「キャッサバの基礎の基礎が分かる キャッサバABC」

気になった人は、キャッサバについて調べてみても面白いかも?

 

 

※レシピと一部写真の提供にあたり、タイのJさんにお世話になりました。ありがとうございました。

 

文&写真 和田理寛