神田外語グループのいしずえを築いてきた人々

第18回 赤澤正人神田外語大学第4代学長『国際舞台を目指す学生に道を示す』

神田外語大学の学生の英語は国際会議で
議論できるぐらいのレベルであるべき

一方で、学生たちは鋭い感性を持っています。その感性に響く何かを提示していくことを心がけていきました。

例えば就職先の設定です。英語の得意な学生は就職先の御三家として、航空会社、旅行会社、国際ホテルを挙げます。それらの仕事はもちろん素晴らしいけれど、もっと広い視野を持ってほしかった。今の世の中は、英語を使わない職種、国際感覚が必要のない職業を探すほうが難しいといっても過言ではありません。ただ、学生にはそこがなかなか理解できないのです。

例えば、ランチミーティングのときも、「語学を生かすのなら警備保障会社もありますよ」とアドバイスしたことがあります。学生はぽかんとしていました。でも、大手の警備保障会社は、大使館や海外の日系企業の警備も手がけており、そういった仕事には必ず外国語が必要になるのです。そんな話をすると、すぐに動く学生がいて、綜合警備保障に就職を決めました。何かヒントがあれば、彼らは積極的に動くことができるのです。

語学の学習についても、もっと高い志を持ってほしいと思いましたね。神田外語大学にはELI(English Language Institute)のような素晴らしい機関もあり、学生たちは外国人の先生方とカジュアルな英会話を楽しんでいる。でも、それが「自分は英語が話せる」と勘違いすることの原因になるときもある。神田外語大学の学生の語学のレベルはどうあるべきでしょうか?外国人と気軽に話せる程度でよいのでしょうか?その程度話せたとしても、国際会議に出席して、日本の領土問題について英語で議論できるでしょうか?私は、それぐらいの議論ができて、はじめて「英語が話せます」と言えると思っています。

そのためにはまずは議論の内容を理解することです。その話題について日本語できちんと意見が言えるようになる。その意見を表現できるレベルの高い英語を身につける。当時、神田外語大学の学生は、日常会話が話せるレベルで満足してしまう学生と、専門性を突き詰めてレベルアップしていく学生にはっきりと分かれていました。しかし、その格差はものすごく大きい。会話だけで満足している学生をどうやって高いレベルに押し上げるかが課題でした。(5/10)

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写真撮影:塩澤秀樹
取材・文:山口剛

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