神田外語グループのいしずえを築いてきた人々

第12回 山本和男神田外語大学元学監『大学設置という重い扉を開け放つ』

3つの研究所とELI によって
理想とする教育を進化させる

異文化コミュニケーションと外国語教育。申請書類では、神田外語大学がこれらの教育に力を入れることを示すために、「本学の理想」として「研究所の設立」を明言した。

佐野学園では開学に合わせて、東京・神田に置いていた「異文化コミュニケーション研究所」を神田外語大学内に移管するとともに、新たに「言語教育研究所」を設置した。また、平成4(1992)年には、「日本研究所」を設置し、日本の文化についての研究活動も開始する。

「本学の理想」は次のように続く。

「外国語の学習と異文化とは、車の両輪のようなものである。このような理論を単なる口頭禅に終わらせないため「これが外国人そのものである」ことを具体的に知らせるために、できるだけ外国語を母国語としている、学者や教養人を教授のうちに加えて自由闊達な大学の雰囲気作りに資したい。

そうすることによって外国人を異国人視したり、好奇の目でみることがなくなるであろう。これを一言について言えば、単に言葉を身につけただけでなく、言葉を人間として具現した学生の養育を本大学の理想としている。」

『「これが外国人そのものである」ことを具体的に知らせる』ことを担ったのは、開学3年目の平成元(1989)年に設立されたELI(English language Institute)だった。

異文化コミュニケーションを軸とし、一般教育と語学教育の両方を兼ね備えたカリキュラム。その教育を進化させるための研究所。そして、コミュニケーションとしての言語教育を実現するためのELI。こういった特徴を打ち出した佐野学園の申請に対し、昭和61(1986)年12 月、文部省は大学設置の認可を下ろした。

佐野公一・きく枝夫妻が手探りで英会話学校を始めてから30年。専修学校法が制定されたにも関わらず、学院生が大学に編入ができないゆえに大学設置を決断してから10年の歳月が流れていた。昭和62(1987)年4月8日、神田外語大学は初めての入学生たちを迎えた。(9/13)

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写真撮影:塩澤秀樹
取材・文:山口剛

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