神田外語グループのいしずえを築いてきた人々

第12回 山本和男神田外語大学元学監『大学設置という重い扉を開け放つ』

教育の柱は、「一般教育、語学、
日本文化、異文化コミュニケーション」

昭和60(1985)年7月、佐野学園は文部省に対して神田外語大学設立申請を行った。

設置準備室は3年をかけて煮詰めてきた新大学の全体像を全数百ページに及ぶ申請書類にまとめた。申請書類は、その冒頭で大学設置の目的をこう述べている。

「本大学は、広く一般知識を授け深く専門の学術を教授研究するとともに、我が国の伝統と文化を究明し、諸外国の文化を理解し、国際社会の一員として貢献しうる人材を育成することを目的とする。」

佐野学園が新大学で目指す教育の方向性がこの短い一文に込められた。

文部省に却下され、名称は外国語学部になったものの、新大学の教育の柱は、あくまで異文化コミュニケーションである。申請書類の「基本構想」にある「大学設立の目的」にはこう書かれている。

「本大学の養成する人材は日本の歴史と文化に根ざした高い教養を基礎に外国と日本を対照的に研究し偏狭な国粋心を棄てて、物事を公平に考え、相手の立場に立って相手を理解する偏見のない広い心の持ち主でなければならない。」

申請書類の文章では、「異文化コミュニケーション」という用語を見事なまでに使わずに、新大学の目指す教育理念としてその概念を説明している。

その理念は「外国語学習の意味」という箇所でもはっきりと謳われている。

「①外国語学習は功利的な単なる言語の技術的な習得に終わってはならない。②言語と文化は不可分であり、文化の理解なしに単なる言語の習得はありえない。③大学における真の意味の外国語の学習は単なる情報を得る手段としてであってはならない。④我々は言葉で考えるのであり、言語はあらゆる学問の根底にある。」

単に言葉を覚えるだけでなく、文化の理解が重要であることを強調し、従来の外国語学部とは一線を画する「異文化コミュニケーションを軸とする教育」への強い決意が表明されていると言えるだろう。(8/13)

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写真撮影:塩澤秀樹
取材・文:山口剛

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