神田外語グループのいしずえを築いてきた人々

第12回 山本和男神田外語大学元学監『大学設置という重い扉を開け放つ』

アメリカのリベラル・アーツを視察
大学設置の本質にある教養教育の実現へ

大学設置準備室は、韓国語学科というカードを手に入れた。だが、新しい大学では、募集定員的としても英語教育の比重が大きい。もっと説得力のある、大学教育において本質的な新しい基軸が必要だった。

設置準備室のメンバーは、その答えを解く鍵は、大学を創りたいと思ったときの動機そのものにあると気づいていく。神田外語の学生には、英語を話せるだけでなく、深い教養のある人間になってほしい。その学びを提供する一般教育の実現こそが大学設置の大きな目的であり、また内容の濃い教養教育の実践は、文部省も望んでいたことだったのだ。

昭和58(1983)年、設置準備室の山本和男はアメリカに派遣された。約10日間をかけて、東海岸のボストンから西海岸のロサンゼルスまで自動車で横断しながら、各地でリベラル・アーツ教育に熱心な大学を訪ねた。リベラル・アーツ教育とは、人間としての教養を高めるために、人文、社会、自然科学の広い分野について学ぶものである。

山本は、アマハースト大学、コルビー・ソイヤー大学、ブラウン大学などの東海岸の大学を回り、学生が数百人しかいない小さな大学も見学しながら、西海岸へと向かった。山本はその旅をこう振り返る。

「アメリカは治安が悪く、さまざまな社会問題を抱えている国である一方で、神の国であることを感じました。ただ純粋に学問に身を投じている大学生たちがいる。図書館も深夜まで開き、学びを支える体制もある。あの凛とした空気に触れたことは、自分たちがどんな大学を作るべきか、イメージを描くうえで非常に役立った」

本場のリベラル・アーツを視察するという貴重な体験を得た設置準備室は、自分たちが作るべき大学の具体像を描きつつあった。

後にまとめられた設置申請書類では、神田外語大学の卒業要件は一般的な124単位ではなく、140単位とされた。一般教育を中心に通常の大学よりも16単位も多く学ぶことで、国際理解のできる教養の高い人財を育成する明確な意志が込められたのである。(6/13)

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写真撮影:塩澤秀樹
取材・文:山口剛

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