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タイの果樹園訪問記

2022/09/20

文&写真 和田理寛(タイ語専攻教員)

 

チェンマイ大学に留学中の本学学生2人と、郊外にあるタイの果樹園を訪問しました。

森に囲まれた果樹園で、チェンマイ市街から50kmほどのところにあります。

 

果樹園を経営しているのはアッカラチャイ先生ご家族です。

アッカラチャイ先生は4年間、神田外語大学で1~2年生用のタイ語授業を担当してくださいました。

タイにいる義理のお母さんと一緒に暮らすため、昨年度を最後にご帰国されました。

 

さてどんな果樹園でしょうか。

まず出迎えてくれたのがラムヤイ(龍眼:ลำไย)の木々。鈴なりです。

好きなだけ食べて良いよと、アッカラチャイ先生ご夫婦。

食べ放題のラムヤイ狩り! 甘くて美味しくて、いくつでも食べられそうです。

ラムヤイの木(写真左)/ラムヤイの実(写真右)

 

隣にはランブータン(เงาะ)の木もあります。こんなふうに木になっているんですね。

いかつい顔して中身は甘~い。タイを代表する果物の1つです。

ランブータンの木(写真左)/ランブータンの実(写真右)

 

ココヤシ(มะพร้าว)の木も並んでいます。

実の表面の乾燥具合をみながら、これは酸っぱい、これは甘いと言っては切り落としていきます。ココナツジュースの味のことですね。甘い実も見つけました。

タイ料理によく使うココナツミルクはこの果肉をしぼって作ります。

ココヤシの木(写真左)/ココナツジュースとココヤシの果肉を味見(写真右)

 

あ、あれはバナナの木ですね。

とはいえ日本で知られるバナナとは別の品種です。

これはクルワイ・ナームワー(กล้วยน้ำว้า)といって、焼いて良し、揚げて良し、干して良し、いろいろな菓子作りにも使えて、栄養もあると言われる、タイでは最もポピュラーなバナナです。生で食べると身が少し固めでもっさりしていますが、慣れるとこれも美味い。

バナナ(クルワイ・ナムワー)(写真左)/バナナの花のつぼみ(写真右)

 

バナナの木にぶらさがっているあの紫の物体は、バナナの花のつぼみ(หัวปลี)です。

バナナの房が出揃ったところで花のつぼみを切り落とさないと、果実が十分に大きくならないそうです。切り落とした花のつぼみは、サラダ(ยำ)にして食べるとシャキシャキしておいしいです。他にタイではトムヤムスープに入れたり、揚げたり、パッタイに添えたりすると教えてもらいました。

 

こちらはグアバ(ฝรั่ง)。市場に出回っているものより小さめの在来種です。丸かじりします。また違った上品な甘さ。

グアバ(写真)

 

パパイヤ(มะละกอ)もありましたが、食べごろまでもうしばらくかかりそうです。

唐辛子も見つけました。鳥糞唐辛子(พริกขี้นก)といって、日本でみるものより小ぶりですが、こっちのほうが辛いんです。タイでよく食べられている鼠糞唐辛子(พริกขี้หนู)よりも小さくて辛いとのこと。これは食べずに写真だけ。

鳥糞唐辛子(写真)

 

時季外れのため実はなっていませんでしたが、ご自宅横にはドラゴンフルーツ(แก้วมังกร)の木とマンゴー(มะม่วง)の木も植わっています。先に収穫してあった最後のドラゴンフルーツをご馳走してもらいました。さっぱりした甘さで、昼食後のデザートにぴったり。

小さな蜂(แตน)に刺されるハプニングもありましたが、痛みはあっても毒性は強くないと教えてもらってほっとしました。アッカラチャイ先生ご夫妻は対処の仕方もよく分かっているので一緒にいれば安心です。

この広々とした果樹園は緑の森に取り囲まれています。その森のなかに見える白いフワフワしたものはなんでしょう。

あれはチークの花だそうです。チーク(ไม้สัก)は高級木材として知られ、家具や住宅に使われています。空に向かってまっすぐ伸びるのと、大きな葉が特徴ですね。

花咲くチークの大木(写真左)/ラムヤイとココヤシの向こうにチーク林を望む(写真右上)/チークの葉はこんなに大きい!(写真右下)

 

散策中ずっと果物をほおばり、もうお腹いっぱいです。

美味しいフルーツがもぎたてで楽しめるなんて、なんと幸せなひと時でしょう。

それに普段市場で見かけるタイの果物がどんな木になっているか実際見たり触ったりできてとても勉強になりました。

アッカラチャイ先生とご家族の皆さん、おいしくて貴重な体験をどうもありがとうございました!

 

協力:アッカラチャイ先生とご家族の経営する果樹園 “อินปันฟาร์ม (Inn Pun Farm)”(チェンマイ県メーテーン郡)