神田外語グループのいしずえを築いてきた人々

第22回 佐藤徹神田外語大学元事務局長 『建学の理念を体現する大学を目指して』

自らの業務が学生のためになっているか、
職員が立ち返るのはその一点でしかない

佐藤徹は平成11(1999)年3月に事務局長を退任し、その後1年間にわたり、大学参与として後任者を補佐し、平成12(2000)年3月に佐野学園の職員を退職した。大学から出版社へとストレートに歩んできた自分の人生に疑問を持って会社を辞め、新たなコンセプトの学を具現化するという未知の仕事に取り組み始めてから、14年の歳月が流れていた。

振り返れば出版社時代に培った経験のすべては、神田外語大学という「ぶっつけ本番の舞台」を開演に導くうえで大いに生かされた。神田外語大学は、佐藤が退職した翌年の平成13(2001)年4月、念願の「国際コミュニケーション学科」を設置した。既存の外国語大学ではない、異文化コミュニケーションを学ぶ新しいタイプの大学が、ようやく形になったのである。佐藤は取材の終わりに、こんな言葉を贈ってくれた。

「佐野隆治理事長の不動の信念のもとに、ここで出会ったすべての人々とともに、新しい大学をつくることに燃えたドラマチックな時間でした。稀有な体験ができました。この原体験をこれからも忘れずに持ち続けたいですね」

「大学は学生を育てる場所です。職員はどんな業務に携わっていても、その目的は学生を育てることにあります。職場では人間関係もあるし、業務の方向性で迷いが生じるときがあります。でも、立ち返るところは、その業務が学生のためになっているか、その一点でしかない。そして、建学の理念です。『言葉は世界をつなぐ平和の礎』。私はこの言葉と一体化しています」(8/8)

佐藤 徹(さとうとおる)
昭和9(1934)年1月、東京に生まれる。昭和31(1956)年3月、東京外国語大学仏語科卒業。旺文社に入社し、広告宣伝、人事労務、全国模擬試験などの業務に携わる。昭和61(1986)年、同社を辞職。同年4月、佐野学園に奉職。法人本部総務部長、神田外語大学入試センター長、事務局長、大学参与を歴任し、平成12(2000)年3月に佐野学園を退職。退職後は、東京外国語大学ボート部OBとともに、ボートチームを結成。平成17(2005)年にはワールドマスターズ(英・グラスゴー開催)にも出場した。今もマスターズボートの現役として、トレーニングを欠かさない日々を送っている。

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写真撮影:塩澤秀樹
取材・文:山口剛

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