神田外語グループのいしずえを築いてきた人々

第20回 佐野きく枝 神田外語学院第2代学院長『心の交流が争いのない世界を創る』

男は天・女は地。両性が相補って、家庭ができ、
社会・国家が成り立つ。私は、そう思いますね

高度成長期の波に乗る日本では、女性の社会進出が急速に進んでいった。その変化に呼応するように、神田外語学院には実務的な英語を学ぼうとする女子学生が押し寄せた。最盛期で昼間と夜間を合わせて学生数は6500人に上った。

昭和53(1978)年に佐野公一が逝去すると、きく枝は学院の実務を佐野隆治に、英語教育は副学院長のアントン・グディングスに任せながら、自らはマナー教育に力を入れていった。女性らしさ、男性らしさを重んじるきく枝の教育は、夫の公一との二人三脚で英語学校を実現した経験に裏づけされたものであった。

「男が『はい、そうですか』って押されっぱなしで黙っていることはない。それは決して男に威張れというのではありません。世の中は男と女で成り立っているのですから、男と女が、互いに理解し合って協力してゆくのは当然ですね。

ですけれど、やっぱり男がしっかりしていないと、うまく納まらない面がある。男が腰を据えている、というのが大事だと思います。男は天で、女は地ですよ、と学生たちに言うんです。たとえば、子供の教育にしても、母親に任せきりなんていう父親が多いようですが、とんでもない話です。肝腎なところに、父親の目がキラリと行き届く、そういう教育、そういう男が本物なのだと。

写真上:佐野きく枝先生が卒業生たちに
贈った「礎語録」。50音順に人生訓が綴
られている。(神田外語学院校友会『平和
の礎』 より)?
写真下:昭和62年、新設された神田外語
大学1号館に完成した佐野弘一先生胸像
の除幕式にて。(池田弘一氏提供)

女の子には、『男は天・女は地、というわけだから男に従うのが筋でしょ』と言います。しかし、従うといっても、何でもハイ、ハイと言うことではない。女が男の言いなりになっていたら家庭も社会も成り立ちません。男の至らない点は女が補い、助けてゆく。私が『従う』という意味は、そのへんの機微というか、呼吸をのみこんだうえで、男に一歩譲る心なんですよ、と。男を立てる気持ちですね。これが万事を円滑にするコツでしょう。つまり、男は女を見る眼、女は男を見る眼を、それぞれしっかりと持たなければならない。

男女それぞれに特長があって、両性が相補って、家庭ができ、社会・国家が成り立つ。私は、そう思いますね。」(※11)

神田外語学院もまた、佐野きく枝という「地」の存在によって、佐野公一や佐野隆治、そして数多くの男性教職員たちが自らの潜在能力を十二分に発揮できたからこそ、かつてない英語教育に挑戦し、実現できたと言えるだろう。 (6/7)

  1. 「対談 心の触れあう教育を」より

 

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写真撮影:塩澤秀樹
取材・文:山口剛

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