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サッカーを仕事にする

2022/10/06

こんにちは!ブラジル・ポルトガル語専攻教員の奥田です。

ブラ・ポル専攻では先日、サッカー関連のお仕事をしている卒業生を授業にお招きしました。

三島大輔さん(写真右)はサッカー専門誌『サッカーキング』の仕事をされています。「サッカーキング」の動画配信では「みっしー」として知られています。

吉村圭介さん(写真左)は駐日モザンビーク大使館での勤務を経て、現在は日本ブラインドサッカー協会/International Blind Football Foundation (IBF Foundation)にお勤めです。

海外出張が多いお二人ですが、予定を合わせて来学してくれました!

 

お二人とも、本学在学中にブラジル留学をしたほか、ボランティア活動をしたり、ゼミの卒論に取り組んだりと、大学生として忙しくも充実した時間を過ごしていたのが教員として印象に残っています。

 

今回は、サッカー関連の仕事にどうやって就いたのかとか、いまの仕事の内容など、在校生からの質問に答える形でお話していただきました。

「明後日、カタールに行って!」と急に出張が決まる話や、ブラインドサッカーの知られざる魅力など、苦労話もあるものの、仕事がとても充実している様子が伝わりました!

お二人は入学前からサッカーが好きで、それでブラ・ポル専攻を選んだのですが、すべての在校生がそこまで明確な目的をもっているわけでもありません。

在校生からは、語学の勉強のモチベーションをどう維持したらいいのか、という切実な悩みも打ち明けられました。

分からなくてもいいのでポルトガル語のニュースを聞き流すとか、ブラジルのニュース記事を少しずつ訳してみるなど、お二人が在学中に実践していた具体的な勉強法を教えていただき、「友だちと協力しながら、毎日続けて習慣化することが大事」と励ましてもらいました。試験の点数がすぐには上がらなくても、ちゃんと勉強を続けているなら自信を持って、とも。

また、いまはまだ将来の夢が決まっていないというのは自然なことなので、在学中はいろんなことに手を出してみようとアドバイスしてくれました。

 

特に印象的だったことは、「在学中にやっておけばよかったことは?」という質問に対する吉村さんの回答でした。

「本をもっと読んでおけばよかったと思っています。留学先では、ブラジル人学生は分厚い本を課題に出されて一週間で読んだうえで議論していて、それが「普通」でした。大学生というのは、それほどの読書量が求められているのだと思うし、いま働いていても本を読むことは大事だと感じています。」

経験を積んできたからこそ、読書の効用を実感されたのかもしれませんね。

「トリリンガルであることは今後、想像以上の強みになる」というのが、お二人の共通のメッセージでした。

母語+英語に加えてもう一つの言語ができる人はあまりいません。お二人とも、職場にポルトガル語ができる人は自分だけという状況です。それが想像していた以上に自分の武器になっているそうです。

外大にいると周囲が同じ言語の専攻学生ばかりなので実感できないかもしれませんが、社会にでると「ちょっと珍しい言語をやってきた」ことが活きる場面が結構ある、と強調していらっしゃいました。

英語に加えてポルトガル語ができることで、思いがけない海外出張の機会やインタビューの機会を得たりするなど、具体的に教えてくれました。

 

最後にお二人よりメッセージです。

三島さん

「仕事をしていると、苦手なことよりも、得意なことを聞かれます。あなたはなにができるのか、と。そのときに自分はこれができる、というものを持っておくことが大事です。」

 

吉村さん

「在学中にサークルなどでリーダーになる機会があればぜひ経験しておくといいです。社会に出ると、その集団のトップになるという経験はなかなかありません。リーダーとして、グループを束ねたり、人前に立ってメンバーのモチベーションをあげる経験を、学生のうちに積んでおくことをおススメします。」

 

堂々と自分の言葉で在学生に想いを伝えるお二人の姿に、私は教員として感動しながら聞いていました。講義後に興奮気味にお二人を質問攻めにする在校生の姿にも、嬉しくなったひとときでした。

 

文 奥田若菜(ブラジル・ポルトガル語専攻教員)