研修の背景と導入の目的
日本の大学を卒業し、日本語能力試験(JLPT)N1を取得した外国籍社員を採用したが、配属先の通信部門で関係者間の調整業務において、電話対応をはじめとする実務上の日本語コミュニケーションに課題を抱えていました。日本の大学を卒業していても実際の職場では、相手の話を正確に聞き取り、質問の意図を理解し、その場で適切に返答する力が求められます。研修前のレベルチェックでは、特に次のような課題が確認されました。
- 状況説明を含む長い質問や、自然な速さの会話を一回で理解することが難しい
- 質問の意図を十分に把握しないまま話し始め、問いに対する回答がずれてしまうことがある
- 頭の中で中国語から日本語に変換して話すため、返答までに時間がかかる
- 漢字語彙の読み方や発音に課題があり、意図した内容が相手に伝わりにくい
こうした課題を踏まえ、今回の研修では、知識として身につけた日本語を実際の職場で使える力へと高めることを目指しました。特に、電話対応や関係者との調整業務に欠かせない聴解力と発話力の向上を重点目標としました。
プログラム概要
・受講形式:マンツーマン受講
・受講回数:1レッスン90分×24回(36時間)
・受講形態:通学とオンラインを組み合わせたハイブリッド形式
■ 研修設計の特徴
今回の研修では、研修前のレベルチェックを通じて、受講者の日本語能力を多角的に分析したうえで、個別の課題に応じた学習方針を設定しました。
1. 日本語能力試験の合格だけでは見えにくい課題を把握
日本語能力試験の結果や読解力だけでなく、実際の質問にどう反応するか、会話の意図を正確に理解できるか、発音が相手に伝わるかなど、実務で必要となる能力を確認しました。
2. 「知っている日本語」を「使える日本語」へ
文法や語彙を理解していても、会話のなかですぐに使えるとは限りません。音声教材やシャドーイングを活用し、聞いた内容を理解して自然に応答する力を養いました。
3. 聞く力と話す力を一体的に強化
相手の発言を正確に聞き取れるようになることは、適切な返答や自信を持った発話にもつながります。繰り返しの聴解練習と発音練習を組み合わせ、双方向のコミュニケーション力の向上を図りました。
研修成果
36時間の研修を通じて、特に聴解力と発話力の向上が確認されました。当校の総合レベル評価でも、研修前の中級レベルから、上級の初期段階に相当するレベルまで日本語運用能力が向上したことが確認されました。今回の研修では、知識として身につけてきた日本語を、実際のコミュニケーションで活用する力へと高めることができました。
担当者からのコメント
外国籍社員の日本語コミュニケーションに課題を感じていませんか?外国籍社員の採用が進むなか、日本語能力試験の資格や学歴だけでは、実際の職場で必要となるコミュニケーション力を十分に把握できないことがあります。特に、電話対応、会議でのやり取り、関係部署との調整などでは、相手の話を正確に聞き取り、意図を理解したうえで、その場に適した言葉で返答する力が欠かせません。当校では、事前のレベルチェックを通じて一人ひとりの課題を把握し、業務上のニーズに応じた日本語研修をご提案しています。「日本語能力試験の資格は持っているが、実務での会話に不安がある」「外国籍社員の電話対応や社内調整力を高めたい」そのようなお悩みがございましたら、貴社の状況に合わせた日本語研修について、ぜひお気軽にお問い合わせください。