①身近で感じたフェイクニュースの脅威

大阪女学院大学に入学する前は日本にある日本語学校に通っていましたが、それまでは生まれてからずっとベトナムで暮らしていました。ベトナムでは、テレビやインターネットからニュース情報を得る人が多く、日本よりフェイクニュースが蔓延していると感じました。わたしの家族も、インターネットなどから得た情報を疑うことなく、それをそのままシェアしたり拡散してしまっている現状がありました。そういった状況の中、Facebookのフェイクニュースをチェックする仕事に携わっている方と知り合い、フェイクニュースに対する考え方や見極め方を教えてくれたことがきっかけで、フェイクニュースという問題とどう向き合っていくべきなのか、真剣に考えるようになりました。

②入賞より解決を、「Critical Thinking Course」の提案

フェイクニュースは、誰にとっても無関係ではない身近な問題です。SNSの普及で情報がすぐに拡散され、被害や恐怖を感じる人もたくさんいるので、入賞することが目的ではなく「いかにフェイクニュースという社会問題を解決するか」に着眼点を置いていました。そのため、はじめはAIやハイテクなどを活用したインパクトのある提案も考えましたが、誰がどうやってアプリを作るのかなど、現実的な提案として考えたときに実際に形にすることは難しいと感じ、「教育」という当たり前のものではありますが、最も大切かつ実現性のある提案にまとめました。

③得意から好きになった言語学習、回数を重ねて磨いたプレゼンテーション能力

もともと海外にはあまり関心がありませんでしたが、母の勧めをきっかけに来日しました。日本語学校に通い、大阪女学院大学に入学してからは、友人から日本語の日常会話を教えてもらったり、真似して話してみたりすることで、日本語を上達させることができました。また、英語力についても、大学ではディベートやディスカッションなどの授業が多く、家でも洋書を読んだり洋画でシャドーイングなどをしたりすることで、身につけることができました。このように、言語を習得することが得意だったため、言語学習が好きになっていきました。プレゼンテーションについても、大学では毎日人前で発表する機会があったので、常に人にどうやって分かりやすく伝えるかを考えながら過ごしていたことから、磨きをかけることができました。今回のコンテストでは、こういったこれまでの経験やスキルを存分に生かすことで、プレゼンテーションの成果に繋げることができたと感じています。

④コンテストの経験と今後のキャリアビジョン

今回、コンテストに出場したことによって、自分の声を分かりやすく相手に伝える重要性について改めて実感しました。こういった経験は、社会に出てから生かせる貴重な経験だと思います。今後は、大学院に進学して外国人への日本語教育を専門に研究し、将来的にはベトナムで日本語を学べる場所をつくるなど、教育分野の仕事に携わっていきたいです。