神田外語グループのいしずえを築いてきた人々

第17回 対談 佐野隆治会長×川田雄基ブリティッシュヒルズ名誉館長『和の精神が実現させた福島の英国』

マナーハウスは、ご先祖様が出ないと一人前じゃない
死んでも、お化けになって、見守っていきたいですね

川田館長:僕はブリティッシュヒルズにいるからって、英国万歳ばかりじゃない。大英博物館だって、世界中からお宝を持って来ちゃった証なんですよ。

佐野会長:ここのお客様の多くはイギリスに憧れてらっしゃる。でも、時には「イギリスの歴史にもこういう側面があるんですよ」と伝えることも大切。川田さんにはそれができる。いい所も悪い所もぜんぶ分かっていて、その両方を魅力的に伝えられる。なかなかできることじゃない。

川田館長:万歳ばっかりじゃないからリピーターにもなっていただける。裏と表があって、奥が深くて、もっと知りたいから、もう一度来たくなる。表面を説明するだけであれば、京都の観光坊主みたいなもんです。それじゃあ、つまらない。私は、運命的な出会いで、ご迷惑なぐらい、ここにのめり込んじゃった。僕は文化の語り部として、ここに込められている意味を伝えていきたいですね。

佐野会長:だから、川田さんが元気なうちに、自分の後継者みたいな人を鍛えないといけない。そういうのがいないと続かないんですよ。川田さんの半分でも、持っている人がいなくちゃ。ただ、人との出会いっていうのは、運ですよね。ブリティッシュヒルズには人を呼び込む雰囲気はある。でも、新聞広告を打ったところでやって来てくれるわけじゃない。まぁ、川田さんのように、ここにのめり込んでくれる人には、そうそう出会えないですよ。

川田館長:光栄の極みです。ところで、会長、マナーハウスというのは、ご先祖様のお化けが出るぐらいじゃないと一人前じゃないんですよ。僕は死んでも、お化けになって、ブリティッシュヒルズを見守っていきたいですね。場所も、プールから2階へと上がっていく裏階段のところと決めています。

佐野会長:川田さん、それいいですね、ぜひ、お願いしますよ(笑)。いつまでも、ここを見守ってやってください。

川田館長:お化けになった私に、みなさんが会いに来てくだされば嬉しいですね(笑)。(4/4)

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写真撮影:塩澤秀樹
取材・文:山口剛

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