コラム
2017 Dec. 25
【態】その2
―注意すべき受動態―
句動詞の受動態
能動態の文を受動態の文にするには目的語Oが必要でしたね。なぜなら、その目的語Oが受動態の文の主語になるからです。ですから、原則として第3文型(SVO)、第4文型(SVO1O2)、第5文型(SVOC)の文しか受動態にできません。目的語のない第1文型(SV)や第2文型(SVC)などの文を受動態にはできないというわけです。
しかし、ナント!例外があるのです。これを「句動詞の受動態」と言います。句動詞は群動詞や動詞句とも呼ばれ、《動詞+副詞》や《動詞+前置詞》の形で「全体で1つの動詞と同じ働きをするもの」です。つまり、句動詞が1つの他動詞に相当し、受動態を作ることができる場合があるのです。次の文を見てください。
例文1: Everybody relies on John.
「だれもがジョンを頼りにしている」
rely は「頼る」という意味の自動詞です。文型はSVの第1文型。ですから「~を頼る」は on という前置詞が必要になります。でも、 rely on を1つの他動詞と考えたらどうでしょうか?
そう、SVOの第3文型に変身して、 John が目的語Oになりました!
それでは John を主語にした文を作ってみましょう。
例文2: John is relied on by everybody.
はい、受動態の完成です。 on と by という2つの前置詞が並んでいて変な感じを受けますね。でも、このような句動詞の受動態は日常会話の中でよく使われているんですよ。

by が省略されるパターン
さて、能動態を受動態にするときは動作主に byという前置詞を付けて文の後ろに置きましたね。
例文3: Everybody loves Tom.
→例文4: Tom is loved by everybody.
でも、実際には by が省略されることのほうが圧倒的に多いんです。なぜなら by ~で動作主を示すなら、能動態で言ったほうがずっと自然だからです。例文3で言えばいいところをわざわざ例文4のように言う必要などないのです。特に次のような場合には by は省略されます。
(1)動作主が一般の人々を表す場合
例文5: English is spoken in Canada.
(2)動作主が不明の場合
例文6: The island was discovered 100 years ago.
(3)動作主がわかりきっている、あるいは言う必要のない場合
例文7: This issue should be discussed later.
なお、 by 以外の前置詞を伴う場合もありますが、これは使われている過去分詞が形容詞化していると考えられます。
例文8: The mountain was covered with snow.
例文9: The manager was pleased with your work.
例文10: Ichiro is known to everybody.
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