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Columnコラム

2019 Oct. 25 通訳のコツ 第1回:通訳というお仕事
Yuji Kadota


浅草・明治神宮などの有名な観光スポットに行かなくてもあちこちで外国人観光客を見かけるようになりました。日本政府観光局(JNTO)の統計によると、日本を訪れる訪日外国人の数は、2016年に約2400万人に達し、2020年東京オリンピック・パラリンピックの年には、その数を4000万人にするというデカい目標を日本政府は掲げています。また、海外では日本のアニメ・マンガなどサブカルチャーへの関心が非常に高く、「キャプテン翼」「ドラえもん」などの人気マンガ・アニメを日本語で理解できるようになりたいという日本語学習者も多く存在しており、独立行政法人・国際交流基金関西国際センターが2010年に開設した「アニメ・マンガの日本語」へのアクセス数は年々増加しているそうです。

外国人との交流は、高度経済成長期に見られた一部の業界だけの話ではなく、もはや市民レベルでの交流が当たり前となってきています。そんな外国人との交流で最も注目を集めているのが「通訳」または「通訳案内士」ではないでしょうか。憧れのハリウッドスターの後ろでメモを取りながら日本語にスラスラ訳している通訳者、プロのスポーツチームに所属し外国人選手をサポートする通訳者、パワースーツに身を包み緊迫したビジネスの場で交渉を進める通訳者、テレビニュースにおける同時通訳者、京都・鎌倉などの観光地で訪日観光客に日本文化を説明している通訳ガイド。「自分もそんな通訳者になりたい!」と日々英語の学習に励む皆さんのために、このコラムでは「通訳」というお仕事の「舞台裏」をチラっとお見せしながら、職業としての「通訳」を身近に感じてもらいたいと考えています。

さて、通訳クラスを受講する生徒さんと4月の始めに話しをしていつも感じるのは、英語が得意だから「通訳」が出来る、帰国子女であれば誰でも「通訳」が出来る、と思っている人がとても多いということです。ゆりやんレトリィバァのネタである「通訳士・吉原モカ」なんて見ているとまさに英語ができれば通訳者というイメージが先行してしまっているのも無理もない話です。

「通訳」とは、医者や弁護士のような専門職であり、高い能力と技術が求められます。つまり、それなりの訓練を受けなければ通訳者にはなれません。また、異なる言語間でのコミュニケーションを必要とするあらゆる場面において通訳者が仕事をすると考えると、興味があろうとなかろうと様々な分野に対する幅広い知識を身に付けていなければ通訳者にはなれません。「語学が得意だから通訳者になれる」わけではないのです。

これから「通訳」を目指す皆さんには是非とも語学の勉強だけではなく、広く世の中にも目を向けて様々な話題に触れてもらいたいと思います。その「雑学」のような知識が実際の通訳の現場であなたを助けてくれる飛び道具になるのです。そして大事なことをもうひとつ。「通訳」とは「自分の意見ではない」ということです。相手との会話を楽しむ英会話であれば「さっきーLINEでカレシとケンカしちゃってー」みたいな話もアリでしょうが、「通訳」は相手の話に耳を傾け別の言語で分かりやすく再表現しなければなりません。つまり、他人の話をよく理解し意図されていることを正しくつかみ取る能力が求められるということなのです。
語学力だけではない「通訳」というお仕事についてなんとなくご理解いただいたところで、次回は「通訳」のお仕事をジャンル別にご紹介したいと思います。

 

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