「日本人は英語ができない」と言われることも多いですが、日本人の英語力をよく知らないという方も多いでしょう。世界の中で日本人の英語力はどのくらいなのでしょうか。ここではTOEFLのスコアを参考にして、日本人の英語力が世界と比べてどのレベルなのかを見ていきましょう。

そもそもTOEFLって何？

TOEFLとは、“Test of English as a Foreign Language”の略のこと。英語を母語としない人々の英語コミュニケーション能力を測るために開発されたテストのことです。英語でのコミュニケーションには「リーディング（読む）」、「リスニング（聞く）」、「スピーキング（話す）」、「ライティング（書く）」の4つの言語技術が必要となります。その4つの言語技術の能力を測るというわけです。

■TOEFLはどういうスコアの配分になっている？
TOEFLのスコアは、120点満点となっています。リーディング・リスニング・スピーキング・ライティングの4つのセクションでそれぞれ30点が満点となります。

TOEFLスコアから見る日本人の英語力とは？

2017年のTOEFL iBT Testsの結果によると、TOEFL平均スコアの世界ランキング1位はアイルランド。平均点であるのにもかかわらず101点をマークしています。次いで、オーストリアとオランダが100点で2位となっています。100点をマークするためには、30点満点の4つのセクションでそれぞれ25点を取得しなくてはならないというわけです。しかもそれが平均点という驚異の数字です。ヨーロッパ圏では軒並み90点台をマークしています。

アジアに目を向けると、90点台がちらほら。アジア圏の1位はシンガポールで97点。2位はインドで94点。次いで、パキスタンが92点で3位となっています。そんなアジア圏の平均得点は81点です。

気になる日本はと言うと……
リーディング18点、リスニング18点、スピーキング17点、ライティング18点
合計が71点と、アジアの平均を大きく下回る結果となりました。

「Test and Score Data Summary for TOEFL iBT® Tests January 2017– December 2017 Test Data」を基に作成

日本人はなぜ英語ができないのか

世界に比べて日本人の英語力が極めて低いということは先ほどのTOEFLの結果でも分かったのではないでしょうか。それでは、なぜ日本人が英語をできないのでしょうか。

それには、いくつかの要因が考えられます。例えば、教育制度。フィリピンでは国語と歴史以外の授業は英語で行われることがほとんどだと言います。それに対して日本では、最近になってようやく小学校に英語教育が導入されましたが、フィリピンには遠く及びません。日本人の英語力が世界に比べて低いことの要因の1つには、英語を使わざるを得ない環境が整っていないことが挙げられるというわけです。
また、日本人の考える「英語が話せる」ことへの心理的ハードルが高いということも要因の1つと考えられます。日本人は外国人と遜色なく英語を使って会話ができるというレベルになるまで「英語が話せる」と認識せず、英語で話そうとしないという特徴があります。対して外国人に「日本語を話せますか？」と聞けば、「Yes！スシ！ニンジャ！」などと答えることが多くあります。彼、彼女らには自信を持って知っている単語を使ってコミュニケーションを取るという姿勢があります。日本人もこれに倣い、単語でもよいから英語で外国人とコミュニケーションを取ろうという姿勢が大切になってくるでしょう。

こうした要因を紐解いていくと私たちが英語力をつけていくために何をすべきかが見えてきますね。直接制度を変えることはできませんから、英語に触れる機会を作っていくということがポイントとなるのです。ネイティブの話す英語に触れ、拙くても英語を使って自分の思いを伝えていくことで英語力が向上していくでしょう。
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