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神田外語Extension

Columnコラム

2017 Apr. 10 【副詞ってナニ?】その2
Takako Kurimoto

―文全体を修飾―

副詞は英文の骨格にはなれない脇役だけど、主役を引き立て、動詞や形容詞を盛り立て、文章を魅力あるものにしてくれる名脇役です。修飾語としての副詞は名詞以外のすべてを修飾するんでしたね。動詞、形容詞、自分以外の副詞、そして文全体を修飾します。それでは今回は、最後の「文全体」を修飾する副詞の大事な働きについてお話しましょう。
■ 文全体を修飾する3つのパターン

副詞が文全体を修飾する場合には3種類あります。

(1)文の内容に対する話し手の判断や評価を表す。
(2)文の内容に対する話し手の感情や反応を表す。
(3)話し手がどんな態度で話しているのかを表す。

(1)の例として、 Possibly she may come here. 「ひょっとしたら彼女はここに来るかもしれない」。この話し手は「彼女が来る」という確信度はかなり低い(50%以下)と判断しています。
ちなみに、話し手の確信の度合いを表す副詞のいくつかを低い順に並べると、 possibly perhapsmaybelikelyprobablydefinitely certainly となります。 probably 以降は90%以上の確信度です。

(2)の例は、 Surprisingly, she refused my offer of help. 「驚いたことに、彼女は私の援助の申し出を断った」。このように、あることに対しての話し手の驚きや当惑や期待などの反応を表します。

(3)の例は、Frankly, I don’t like his paintings. 「率直に言うと、彼の絵は好きじゃないんだ」。 FranklyFrankly speaking ですが、 speaking はよく省略されます。このように文全体を修飾する副詞はふつう文頭に置き、話し手の個人的な感情や感想を表すことが多いのです。

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副詞の注意すべき特徴

さて、ここに興味深い文章があります。
(A) Happily, he did not die.
(B) He did not die happily.
この2つの文章の意味の違いがわかりますか?

これは「死んだの?死ななかったの?構文」とも呼ばれるとても有名な文章なんですよ。どちらも同じ副詞 happily が使われていますが、(A)は文全体を、(B)は動詞を修飾しています。(A)の happily は文全体、つまり「 he did not die. 彼は死ななかった」を修飾しているので、この文の意味は「幸いにも彼は死ななかった」となります。よかったあ、生きてます!
ところが(B)は動詞 die だけを修飾しているので、「幸せに死ぬ」。そして did not があるので、「幸せには死ななかった」で、この文は「彼は幸せな死に方をしなかった」という意味になります。お気の毒に……。
このような文章の例は決して多くはありませんが、副詞の位置によって意味が大きく違ってしまうことがありますので、訳すときには注意しましょう。

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最後に、つい忘れがちな、そして気をつけなければいけない副詞の特徴を再確認しておきましょう。「副詞には前置詞が含まれている」ということです。次の3つの単語を見てください。 abroad 、home、 downtown。これらの語は名詞や形容詞の働きも持っていますが、しばしば副詞として使われます。副詞には前置詞が含まれているので、 go abroad 「海外に行く」、 go home 「家に帰る」、 go downtown 「繁華街へ行く」になります。toという前置詞は副詞自体に含まれているのです。「留学したい」と言う学生たちがたくさんいますが、「留学する」は study abroad あるいは go abroad to study です。

 

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