神田外語大学同窓会

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海外で赤ちゃんを育てるとき気になることとは?

みなさんこんにちは。2010年度卒業 山中です。2015年タイの会計事務所に入所後、2017年からインドネシアへ異動し、妊娠・出産を機に退職。現在は主婦をしながら次の勤務先へ向けて、準備をしています。今回私からは、海外での妊娠と出産、そして小さな赤ちゃんを伴ってのフライト等についてご紹介したいと思います。ビジネス等で小さなお子さんを伴っての海外移動は何かと確認ごとや調べ物などが増えますので、その一助となれば幸いです。

最初に「インドネシアってどんな国?」

日本人口の2.5倍。天然ゴム、液化天然ガス、コーヒー豆から自動車部品まで日本との経済関係は大変大きいだけではなく、日本のアニメファンも多い親日国がインドネシアであることは皆さんもご存知のとおりです。


イメージ:meiji 比べてみよう世界の食と文化より

家族が増える!判明したのはインドネシア在住中

第一子の妊娠はインドネシア勤務時の時でした。勤務先は自宅から車で15分ほどの距離に住んでいましたが、ラッシュにぶつかると勤務地まで2〜3時間かかることも当たり前な環境です。日本のラッシュ時に比べればまだましかな。。。と前向きに捉え毎日を過ごしていました。

そんな中、妊娠が確認されたのですが、まもなく不正出血で自宅療養が必要となる事態に。安定期に入る前に職場への報告も早めに済ませる必要がありました。悪阻(つわり)が始まってからは、お客様に迷惑はかけられませんので、訪問等のサポートを周りのスタッフにお願いすることにしました。海外では頼ることが大切なんです。

ジャカルタの景色

やさしさあふれる国での妊婦生活そして出産

微笑みの国タイは有名ですが、インドネシアも凄く優しい国だと思いました。インドネシアの人達は子供や妊婦さんにとても親切で優しい方が多く、外出先で並ぶことがあると、自分の先をいくよう譲ってくれることも。かえって恐縮してしまうほどでした。

職場環境も妊婦に対して極めて寛容で、日本ではちょっと想像しにくいかもしれませんが、デスクで搾乳しながら働く女性も少なくありません。しかも職場のママ達が共同購入した母乳保管用の冷蔵庫まで揃っていました。

職場環境にはとても満足していて、アットホームでとても心地よく、当初は現地で出産して即復職することを考えました。しかし産休が3ヶ月間のみと日本よりも短い事と出産事情が心配。。。同僚から「陣痛が始まったから急いでタクシーを捕まえたけど、渋滞で病院に間に合わず車内で出産することになった」という話を聞いて、なんて逞しいのかと思う反面、万が一のことも考えて悩んだ挙句、やはり日本で安心して出産し、赤ちゃんとの生活が落ち着いたらまた働こうと考え直し臨月での退職を決めました。

帰国後、無事に出産し、2ヶ月後には早速首都ジャカルタへ戻りました。戻る際に、これも当然初体験なのですが赤ちゃんのフライト問題がありました。利用した日系航空会社では、生後8日以降の搭乗が可能で、首座り前の移動となる場合にはバシネットというベビーベットを予約することができました。さすがだなぁと感動したのは記憶の新しいところです。


(左)スカルノハッタ空港(生後6ヶ月のころ) (右)ジャカルタに戻る際の機内(生後2ヶ月のころ)

参考なんですが、離乳食開始後の場合、コードシェア便だと食べ慣れない外国製の離乳食が出る場合もありますので、荷物になってしまいますが用意していくことをお勧めします。また、小さなお子さんを乗せる際には、注意事項や母子の座席位置などについて色々と設けていますので、WEB確認だけではなく、航空会社へも確認しながら予約した方が間違い無いと思います。

出産後日本の病院で育児の実習指導を受けますが、受講中に「インドネシアでの生活ではどうだろうか?」と色々と気になる点がありました。例えば日本製のミルク。イスラム教で禁止されている豚由来成分が入っているので現地では手に入りませんし、哺乳瓶消毒用の薬剤ももちろん売っていません。これも事前に調べておきましたが、国が違うとこんなことも準備しなければなりませんでした。到着後すぐに使うものをあらかじめ用意し、その他のものは現地のアイテムを取り入れましたが、おかげで不便は感じませんでした。持ち込んで正解だったアイテムNO.1は介護用滑り止めマット!床がツルツルのお風呂場でも赤ちゃんを安心して抱っこすることができるおすすめグッズです。ただし用途に合わせ大きさも様々ですので購入時には要注意です!

お手伝いさんを雇っても子育ては大忙し!

現地ではお手伝いさんを週二回ほどお願いしていましたが、子育てに追われてご飯を食べる暇が無いこともしばしば。。。どんなに忙しくても疲れていても健康の為には食事は大切です。そんな時に積極的に利用していたのがオンラインのフードデリバリーです。屋台メニューからホテルのレストランメニューまで充実しており、家にいながらお洒落なカフェ気分を味わうことができました。最近でこそコロナの影響で日本でも当たり前になりつつありますが、子育て主婦が働くのが当たり前の国だと当然なのかもしれません。

「うちは共働きだからもちろんながらお手伝いさんがいるし、いないと働けないよ。」とインドネシア人の同僚の言葉の通りで、同僚同士お互いにサポートし合い、明るく働いている姿は印象的でした。その姿に励まされると共に、少子化とは無縁のインドネシアが眩しく感じました。

みなさんも海外在住中に家族が増えることになったら、積極的に周りに頼って赤ちゃんとの時間を楽しく過ごしてみてください。

ところ変われば考え方や生活様式も変わります。異文化の中では相手の良いところに気づき、それを尊敬し、そこからコミュニケーションが始まるのかもしれません。大学時代に習っていたからこそ、自立して学習し積極的なコミュニケーションによって新たな発見に出会えるんだと思います。このことは子供にも教えていくつもりです。

皆さんも新たな発見を是非このような場で教えて頂ければ幸いです。


(左)インドネシア人のお手伝いさんと(右)オフィスで記念撮影

2010年卒業
外国語学部 国際言語文化学科タイ語専攻
高倉(山中)由美子

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