本物の英国文化を体現させるために

第4回 ジョン・スチュワート・レナルディ ブリティッシュヒルズ元儀典官『英国文化を代弁する責任を担って』

スタッフ全員がサービスを通じて、
お客様の英会話とコミュニケーション力を引き出す

ブリティッシュヒルズでは、何のためにイギリスを再現するのでしょうか。最優先は学生です。イギリスで学ぶ経済的な余裕のない学生に、イギリスの文化を体験させるのです。

ブリティッシュヒルズは、おとぎの国です。日本におけるイギリスであり、飛行機に乗る面倒は必要ありません。新幹線やスクールバスでブリティッシュヒルズの門までたどり着けば、そこは別の世界への入口です。

マナーハウスまでは長い道が続きます。バスに乗ってマナーハウスが近づいてくると、学生は口々に感想を言い始めて、顔つきも変わってきます。私が学生たちを出迎えます。「ジョンさん、あなたはここに住んでいるの?」「そう、ここは私の家だから」。そう答えると学生たちは「私もここに住みたい!」と顔を輝かせます。

ブリティッシュヒルズでは、日本語の使用は禁じられていました。バスから降りれば、そこはイギリスです。スタッフは特に日本語を話さないよう厳しく命じられていました。学生たちに日本語を使わせないようにするためです。ブリティッシュヒルズに来てしまえば、学生たちは英語で話し始めるのです。

ブリティッシュヒルズでは、座学ではなく、活動をしながら英語を学んでいきます。一方的に教えられるのではなく、双方向にコミュニケーションをしながら学ぶのです。みんな、間違いながら学びます。それが学びの唯一の方法だと私は思います。日本人は英語を使うのを恐れています。でも、英語の環境に入れば英語で話すしかありません。英語の使い方を間違ったら、それを笑って、ジョークにしてしまえばいい。それが一番の勉強法です。

我々はサービス部門のスタッフですから、決して教師としてクラスで教えることはありませんでした。学生に教えるという職務はなかったのです。しかし、ブリティッシュヒルズでは、スタッフ全員でお客様を支援しました。我々は英語を使って話しかけ、お客様の英語を引き出し、サービスを通じて英語を教えるという役割を担っていたのです。

そして、私自身も日本人のスタッフ、年輩のお客様、そして学生たちからたくさん日本の文化や歴史を学びました。日本に来て学ぶまで私は日本がイギリスから大きな影響を受けていたなんて知りませんでした。鉄道、郵便、政府、道路、教育。日本で建設された道路が明治天皇の時代にイギリスから伝わったことなど考えてもみませんでした。(6/9)

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写真撮影:塩澤秀樹
取材・文:山口剛

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