異文研キャンパス・レクチャー・シリーズ

第58回
異文研キャンパス・レクチャー・シリーズ

《親密圏の異文化問題を考える》第1回
「留学生たちと一緒に本音で語ろう!
異文化友情、異文化恋愛、異文化結婚の虚像と実像

学生
パネリスト
黄 シネ(神田外語大学留学生別科学生・韓国出身)、
スコット・スフォード・ブライル(同・英国出身)、
アーロン・M・ロマニク(同・米国出身)、
渡辺あづさ(神田外語大学・英米語学科学生)、
石黒裕夏(同・国際コミュニケーション学科学生)、
藤井友美子(同・国際言語文化学科ベトナム語専攻学生)
司会
ギブソン松井佳子 (本学英米語学科 教授・当研究所 所長)
日時
2009年6月16日(火) 17:00~19:00 (開場:16:30~)
場所
神田外語大学(千葉・幕張)
ミレニアムホール

日本は近年グローバル化および多文化化がますます進み、さまざまな国籍や文化を持ったひとたちとの接触や交流も日常茶飯事となっています。みなさんの親密圏にもきっと異文化を持つひとたちが増えてきているのではないでしょうか。でも意外にわたしたちは実情をあまりよく知らないのです。本シリーズはこういう身近な問題を本音で話しあえる等身大のチャンスとして企画しました。ときには学生同士(特に留学生と日本人学生との交流を主軸として)のパネル・ディスカッション、ときにはスペシャリストをお迎えしての講演会といったヴァリエーションをつけながら活発に意見交換をしていきたいと思います。興味や関心があるかた大歓迎です。みんな一緒に語り合いましょう!

第1回目は、韓国、イギリス、アメリカからの留学生と日本人学生3名によるパネル・ディスカッションを開催します。使用言語は日本語です。

パネリスト紹介
黄シネさん(留学生別科・韓国出身)
はじめまして。韓国から来たファン・シネです。私の名前はハングルで「小川」という意味です。21歳です
私は外国語学習に興味があり日本語を習い始めました。日本語と韓国語は語順が似ているので、はじめは易しく感じたのですが、だんだん難しくなってきました。本年度前期だけ留学生別科で勉強します。
神田外語大は日本人学生と留学生とのチューター制度などもあり、外国語の学習環境に恵まれていると思います。キャンパスもきれいだし、色々な国から来た留学生たちと交流しながら毎日、楽しく勉強しています。
スコットさん(留学生別科・イギリス出身)
私はスコットランドの西海岸にある小さな村に生まれました。23歳になったばかりです。アルバニアという東ヨーロッパにある国に住んでいたこともあります。日本でのホームスティ経験をきっかけに日本語を勉強し始めました。そして、世界中の様々な国を訪ね歩くうちに、人間として最も大切なことは相手の文化との相違点をよく理解することだと気づくことができました。将来、もし、出来ることなら国際連合で働きたいと考えています。でも今は、とにかく大学を卒業することが先決!
アーロンさん(留学生別科・アメリカ出身)
私私はミネソタ州立大学からの交換留学生です。日本語学習のきっかけや留学の理由は私が生まれる前にさかのぼります。私の両親がフランス留学中に、私は生まれ3歳までそこで育ちましたが、その間母は私にずっとフランス語で話しかけていました。そのため、私は自分にも子どもができたら何か外国語を教えたいと思うようになったわけです。ではなぜ「日本語」を選んだのかといえば、ホームスティで訪れた日本がとてもきれいだったし、優しい人たちが多かったからです。
渡辺あづささん(英米語学科2年)
異文化大好き! 交流大好き! 特に異文化恋愛、結婚に長年憧れを抱いています。今回は私の視点と留学生の視点の異なった視点から異文化を考えることで、また違った魅力、あるいは問題が見えてくるだろうと思い、興味を持ったので参加を決めました。まだまだたくさんの未知で溢れた異文化の世界について、みなさんも一緒に語りましょう!
趣味は音楽、料理、読書、特技は剣道。
石黒裕夏さん(国際コミュニケーション学科2年)
私は大学の近くのアパートに一人暮らしをしています。出身地は東北地方の山形県です。東京から新幹線で片道5時間かかります。時間もお金もかかるので実家に帰るのは一年のうち3回ほどで一週間ほど滞在します。
週末にディズニーシーの中のお土産屋さんでアルバイトをしています。今月で働き始めて一年になります。入社したてのころはわからないことばかりでしたが、今はもう仕事にもだいぶ慣れて働くのが楽しみです。
藤井友美子さん(国際言語文化学科ベトナム語専攻3年)
ベトナム人の両親のもとで育ったので、幼い頃からベトナムには興味がありました。大学でも将来のために、ベトナム語をマスターしようと思い、専攻しています。趣味はドライブ。休みの日は、友人と車で遠出するのが楽しみです。
千葉県出身。千葉国際高校卒業。
講演会報告
(奥島美夏、異文化コミュニケーション研究所)

近年の日本では多国籍化・多文化化が進み、さまざまな国籍や文化をもった人々との接触や交流も日常茶飯事となっている。私たちの「親密圏」にも異文化をもつ人々が増えてきているが、意外に私たちは実情を知らない。本シリーズ「親密圏の異文化問題を考える」はこうした問題を本音で話しあえる等身大のチャンスとして企画した。第1回目にあたる本会では、韓国・イギリス・アメリカからの留学生3名と日本人学生3名(日本国籍取得者含む)の計6名をパネラーに迎え、ギブソン松井佳子本研究所所長の司会進行によりディスカッションを行った。

外語専攻の教育機関では教職員・学生とも全般に海外志向が強く、留学経験者や帰国子女ばかりでなく、ダブル(ハーフ)や日系人、オールドカマーや帰化者など多様な民族・文化的出自をもつ者が多い。互いの多様性を認め合い、自らの特色としてアピールできる自由闊達な雰囲気があるなかで、パネラーとなった6名は留学の動機や国際結婚への憧れ、語学指導者や国連職員等の将来設計を語りながら、そこに両親やいとこ、近所の友人など身近な人々から受けた影響が大きいことをそれぞれ再認識していたのが興味深い。こうした原体験をもつ若者たちが、諸国で学び、その体験を周囲にも伝えてゆくことが期待される。

学校法人佐野学園:理事長室・いしずゑ会
〒101-8525 東京都千代田区内神田2-13-13
TEL: 03-5289-8828

法人本部広報部 渡邉公代
TEL:03-3258-5837

写真撮影:塩澤秀樹
取材・文:山口剛

本ページの記事・写真等及びコンテンツの著作権は、
神田外語いしずゑ会、写真家または情報提供者それぞれに帰属しています。

閉じる