神田外語大学同窓会

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飛び込んで駆け抜けた未知なる映画づくりの世界

みなさんはじめまして!2018年度国際コミュニケーション学科卒業の渡邊小百合です。すでに先行告知として、映画の情報をご案内させていただきましたが、今回は、私が助監督・出演で携わっております映画『イエローマーガリン 』についてもう少し詳しくご紹介させてください。
https://www.kandagaigo.ac.jp/kuis/alumni/index.php/blognews/movie-introduction/ )

『イエローマーガリン』公式サイト
https://yellow-margarine.jamandco.biz/

映画製作とは無縁。英語習得に必死だった学生時代

実は大学入学当初、私は英語を話せるようになりたいと思っていませんでした。というより、日本語以外の言語で物事を考えたり、それを言葉にしたりするという脳や心の状況が理解も想像も全くできず、自分にはまず起こり得ることはないだろうと信じていました。

でも、いつの間にかそんな言い訳も出てこなくなるくらいに、言語の面白さや美しさを教えてくれる人々に恵まれて、言葉の魅力を教えてくれる人たちの背中を追い続けた5年間を終え、卒業後は日英鼎談の同時/逐次通訳を任せてもらえるようになっていました。

最近は使う機会が減ってきた英語ですが、まだまだ自身の感覚器官のようなものとして存在し続けています。そして、そんな自分には遠すぎると思いながらも “何か” に魅せられ無防備に飛び込み、もがきながらもそれを体得していくという経験は、間違いなく、全くの未経験からのスタートだった今回の長編映画製作の基礎体力となってくれていたと思います。

HORISHIROのメンバー4人

走りながら学ぶ日々

本作の制作応援プロジェクトのクラウドファンディングページ( https://motion-gallery.net/projects/horishiro )にも詳しいチーム結成ストーリーが記されていますが、我々HORISHIROは、冷静に考えると「よく出会えたな」と不思議に思うくらい、社会的にはあまり接点のない4人から成るチームです。

各々が持つそれぞれの得意分野で磨き上げた技術や才能も、人間性も大好きで尊敬しているメンバーで創り上げたのが今回初となる長編映画製作でした。

2022年7月末、まずは資金集めのためクラウドファンディングプロジェクトを立ち上げるところから製作はスタートしました。浅野忠信さん・深水元基さんをはじめとする著名俳優の方々からの応援もあり、89名の方々から100万円以上のご支援をいただき、プロジェクトは無事終了!…と喜んだのも束の間。その裏では出演者を募り、オーディションを開催しました。

応募総勢はなんと584名!予想を遥かに上回る応募数で、書類・対面オーディションを通して素晴らしい表現者の方々に出会うことができました。

そういった演者の方々をはじめとした、照明・音声・ヘアメイク・衣装・美術・制作スタッフ…関わってくださった方々が持つ純度の高い情熱や個性、各分野のプロフェッショナルの技術に心が奮い立たされ、私自身も背中を押してもらい、そして1つ1つの挑戦に向き合っていた準備期間でした。

今思うととても大きな原動力の一つでもあった、我々を突き動かしてくれていたそんなエンジンがあったお陰で、10月〜翌年2月にかけての極寒の屋外撮影も乗り切ることができたと思います。

母校の協力のもと撮影は進む

そして、母校である神田外語大学にも撮影地としてご協力いただきました!ドタバタな撮影も、職員のみなさまがご理解・ご協力くださったお陰で無事に撮り終えることができました。また、大学時代の友人や先輩に撮影の手伝いや声の出演をお願いするなど、KUISネットワークの多大なる助けがあってこその作品でもあります。

「◯◯のようなもの」がテーマの作品づくりで感じていた、原動力 “のようなもの”

手探りで製作を進めていく中、原動力となる要素は沢山ありましたが、その中の一つに不思議だなと思う感覚があります。それは、「今はまだここにないもの・実現できるか分からないことだけど、おもしろいものになると既に確信的に解っている。あとはそこに向かって走るだけ。」という感覚です。それは、チームへの信頼感と言い換えることもできるかもしれません。

とはいえ、1つの作品を大人数でつくる時、脚本という下絵はあるものの、それを元にどんなに議論を重ねたとしても1人1人の想像している完成図がピタッと合うこともなければ、そもそもピタッと合うことばかりが良いこととは限りません。でも、すべてが最初からはまりすぎていたら面白くなくなってしまいます。極論になりますが、実際にやってみないことにはどんな映像になるかは誰にも分からない、というのがある種の答えなのかもしれません。

映画づくりは、そういう状況で各ポジションの人の熱量と技量を混ぜ合わせて、実態のないものに顔を与えていくような作業の連続でした。託し、託され、すり合わせ。そんなプロセスの中で生まれる化学反応に心から感動したり、時間や体力との戦いに悩まされたりと、毎日が目まぐるしく過ぎていきました。

でもその全てをどう捉え、扱っていったかの一挙手一投足の軌跡がチームや作品の色彩そのものになっていくのだと感じました。そんな「まだ無いけど、あると思えるものを、自分以外の人と一緒に信じてつくりあげていく」というサプライズ満載のおもしろさは、映画製作の醍醐味… ”のようなもの” なのかもしれない、という気がしています。

作 品 概 要

事件の報道でよく使用されている「◯◯のようなもの」という表現から着想を得たコメディー作品。東もどき市というなんだかハッキリしない街に住む、なんだかハッキリしない9人と一匹の「〇〇のようなもの」達は、ある日、街で起きた「〇〇のようなもの」だらけの強盗事件 “のようなもの” によってモヤーっと絡み合っていく。

特殊な夢とダイバーシティな愛、野放し状態の自己肯定感が交錯するヘンテコ群像劇。

物語を前に年齢や肩書きなどの色んなものが一瞬消え去る、絵本を開く直前のような、アノ感覚で『イエローマーガリン』の世界を覗いていただけたら嬉しいです。

公式サイト: https://yellow-margarine.jamandco.biz

チケット販売開始しました!

なんだか抽象的で難しい話に聞こえてしまったかもしれませんが、映画『イエローマーガリン』中身は思いっきりコメディな、味濃いめ・クセ強めなヘンテコ群像劇です。
制作に携わった全ての人々と一緒に、情熱と愛情を込めて真剣に濃い味に仕上げました!

上映スケジュール・劇場HPは下記URLよりご確認ください。

シモキタ エキマエ シネマ『K2』
https://k2-cinema.com/event/title/287

上映期間:9月8日(木)〜9月21日(金)

みなさまの来場をお待ちしています!

撮影の様子をまとめた、フォトギャラリーはこちらからご覧いただけます!

2018年
国際コミュニケーション学科国際コミュニケーション卒業
渡邊 小百合

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