この春、キャリア日本語科に入学した留学生を迎え、入学式を執り行いました。式には在学生も出席し、ノーベル賞受賞研究者である山中伸弥教授によるメッセージを読み上げ、新入生を歓迎しました。新入生代表の任 安慈さん(中国出身)は、「夢に向かって努力したい」と学校生活への期待を語りました。これに応える形で、在学生代表のCHAUDHARY BHAWANAさん(ネパール出身)は、自身の経験をふまえて「困ったときはいつでも相談してほしい」と温かいメッセージを送りました。新入生一人ひとりが実りある学校生活を送れるよう、教職員一同、心より願っております。
―新入生代表 任 安慈さん(中国出身)より―
私たちは、日本語を学び、将来は日本で就職したいという思いを持って、この学校に集まりました。きっと日本に興味を持ったきっかけや、それぞれの物語があることでしょう。私の場合、日本語との出会いは、大学時代に見たアニメでした。『スラムダンク』、『るろうに剣心』、『ヒカルの碁』、『進撃の巨人』などに夢中になった時期です。そこから、日本文化にどんどん惹かれて、日本語の歌を歌ったり、日本語の小説を読んだりするようになり、卒業論文のテーマも日本に関するものでした。けれど、その頃はまだ「日本で生活しよう」という決意までは持てなくて、中国国内で就職しました。それから9年が経ち、さまざま経験を重ねた末に日本に来ています。慣れ親しんだ場所を離れるのは簡単ではありません。でも、「一度きりの人生」、悔いのないように生きたいと思いました。そして、私は、もう一度日本語の教科書を開き、新たな気持ちで学び始めています。この学校には、さまざまな国からの仲間がいます。ベトナム、ミャンマー、インドネシア、香港、台湾、フィリピン、ネパール、パキスタン、韓国。そしてこれからもきっと増えるでしょう。背景も年齢も違いますが、「日本語を学び、新しい未来をつくりたい」という思いは、皆同じだと思います。入学からの2ヶ月、楽しいこともあれば、大変なこともあったかもしれません。皆さんは少しずつ日本での生活に慣れてきたのではないでしょうか。幸いにも、先生方はとても親切で、熱心に指導してくださり、就職活動のサポートも充実しています。私自身、神田外語学院でなら、自分に合った道を切り拓くことができると確信しています。今は6月、日本は梅雨の季節に入りました。曇りの日や雨の日が多く、過ごしにくいと感じるかもしれませんが、そんな湿った空気の中で、植物は少しずつ根を張って、成長を続けています。私たちの新しい生活も、きっと同じです。今は目に見えなくても、一歩ずつ歩んでいくことで、自分らしい花を咲かせる日が来ると信じています。最後に、皆さんがそれぞれ、日本で自分の居場所を見つけられるよう、心から願っています。これからも、共に学び合いながら、歩んでいきましょう。
―在学生代表 CHAUDHARY BHAWANAさん(ネパール出身)より―
新入生の皆様、この度はご入学おめでとうございます。私たち、みな、心より歓迎いたします。みなさんと一緒に学生生活を送れることを、とても楽しみにしていました。私も半年前、この席で皆さんと同じように不安な気持ちと希望を持ち、緊張しながら入学式を迎えました。今日は少しだけ早く入学した私から、学生生活を楽しくするポイントをお伝えしたいと思います。日本で生活するために、一番大切なことは日本語だと思います。私たちは日本人ではないので、日本語を話しているとき、まちがえてもまちがえたことを直して、自信をもって会話をすると、だんだん会話ができるようになると思います。そうすれば、きっと学生生活が楽しくて、日本語で会話ができるはずです。ぜひ、神田外語学院で充実した時間を過ごしてください。私たちとすてきな思い出を作っていきましょう。わからないことがあれば、何でも聞いてくださいね。