家族、親せき一同に見送られ、大きな希望を胸に海を渡る外国人実習生たち。彼ら「外国人技能実習生」は、日本での実習を通じて技術／知識を習得し、帰国後は発展途上にある母国での活躍が期待されています。私はこの実習生を受け入れている畜産、自動車部品、電子機器などの国内企業約30社を組合員に持つ組合で、ベトナム出身の実習生を中心にサポートしています。来日した実習生を空港へ迎えにいくと、異国での生活に不安もいっぱい。そこでまず、彼らの緊張が少しでもほぐれるよう、ベトナム語で接します。例えば「学生時代に、ハノイに留学していました」などの話をすると、すぐに打ち解けて笑顔を見せてくれるのです。行政の書類手続きから、日本語や日本文化の教育まで、仕事内容はさまざま。また、受け入れ側の日本企業と、実習生であるベトナム人の間に立つのも大切な役目のひとつです。言葉も文化も異なる企業と実習生それぞれが互いに理解を深められるよう、細やかな気配りは常に欠かせません。
　ベトナム語を学んだ理由は、日本国内での話者人口がまだ少ないことに大きな可能性を感じたから。身につけた語学力やコミュニケーション能力をどのように活かせるのか。学生の頃はまだ漠然としていましたが、社会人になった今、発揮できる機会の多さをあらためて実感しています。さらに業務では英語文書のやりとりが多く、これらを難なくこなせるのも神田外語大学で「英語＋専攻語」をみっちり学んだおかげです。私の原動力は、明るいベトナムの人々と、成長を続けるベトナムという国が“大好き”のひと言に尽きます。大好きな国の未来の人財育成に貢献している。とても誇りの持てる仕事です。