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字幕翻訳のルール

戸田奈津子さんによる 字幕翻訳の心得

戸田奈津子さん:映画字幕翻訳者。東京都出身、津田塾大学英文科卒業。『地獄の黙示録』で注目され、以降数多くの大作、話題作を担当。第一線で活躍を続ける、日本の映画字幕翻訳の第一人者。海外映画人との親交が深いことでも知られる。

映画の字幕翻訳は原文の直訳とは異ります。 せりふがしゃべられている時間内に、端的に読みやすい日本語で、しかもドラマの流れに沿った日本語にせねばなりません。 今回のコンクールでも時代背景や登場人物の性格・感情をふまえて日本語のせりふを考えてください。

字数に制限があるからといって、原文から勝手に離れてはいけません。あくまでも原文を尊重しつつ、上にのべた条件を満たすのです。

漢字を使えば文字数が少なくなるからと一般に読めないような難しい漢字を使ってはいけません。 漢字・送りがなは「当用漢字」などの辞書を調べて、ルールを守ってください。

翻訳する人の解釈力、日本語力、感性でいろいろな字幕がつくれるはず。 ドラマを盛り上げる字幕にトライしてみてください。

字幕翻訳のルール

字幕翻訳において、「制限文字数」は非常に重要なポイントになります。コンクールの審査に影響しますので、以下のルールをしっかり理解してから字幕作成に入りましょう。
※今回のコンクールは特別ルールです。実際の字幕翻訳のルールと違う箇所もあります。

RULE1
「目標文字数」に対して、プラス・マイナス1文字は許容範囲とします。たとえば、【目標文字数】が6文字の場合は、6プラス・マイナス1文字、つまり5~7文字でまとめるということです。
RULE2
通常、字幕には(画面に対して)縦字幕と横字幕の2種類がありますが、今回は横字幕のみとし、1行13文字の2行までとします。
RULE3
「目標文字数」が多いものは、読みやすさを考えて、適当な箇所で改行してください。

字数の数え方

RULE1
ひらがな・カタカナ・漢字は1字を1文字、音引き「-」(「1ページ」、「スペース」)など、「っ」「ュ」なども1文字として数えます
RULE2
句読点は使いません。句点「。」は全角スペースで読点「、」は半角スペースで表記してください。ただし、どちらも1文字には数えません
RULE3
棒引き(ダ─シ)「─」は、文字が2つの字幕にわたっている場合に、1つ目の字幕の最後につけます。
「次の字幕に続く」という印です。これも1文字には数えません
RULE4
「?」「!」「“”」などの記号も、1文字に数えません

まとめ

※1文字として数えるもの…
ひらがな、カタカナ、漢字、音引き「-」、「っ」、「ュ」、1(数字一桁/全角)、23(数字二桁/半角)
※1文字として数えないもの…
句読点に相当する「全角スペース」「半角スペース」、棒引き(ダーシ)「―」、3点リーダ「…」、「?」、「!」、「“”」などの記号

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