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講演「シルク・ドゥ・ソレイユの舞台裏」が開催されました

2015.05.15
神田外語大学
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日時:2015年5月12日(火)16:30~18:00
会場:神田外語大学 7号館2Fクリスタルホール
講演者:クロード・ブルボニエール氏(シルク・ドゥ・ソレイユ(ラスベガス)ディレクター)
司会:矢頭典枝(本学英米語学科准教授、グローバル・コミュニケーション研究所副所長)
使用言語:英語(日本語の要旨を掲載した配布資料あり)
主催:本学グローバル・コミュニケーション研究所
協力:カナダ・ケベック州政府在日事務所

Claude Bourbonnièreクロード・ブルボニエール氏略歴

カナダ・ケベック州生まれ。ケベック大学モントリオール校卒業(経営学)後、公認会計士(CPA)の資格を取得。その後、銀行勤務などを経て、シルク・ド・ソレイユ社の財務担当ディレクターに就任。
在職中にフェニックス大学で経営学修士号(MBA)取得。東京ディズニー・リゾート内の常設ショーZEDのカンパニー・ディレクター(2008-2011年)に就任。現在、ラスベガスの2つの常設ショー―ZumanityとZarkana―のカンパニー・ディレクターとして、財務から企画まで全般的に社の経営を担う。

講演の主旨

1. シルク・ドゥ・ソレイユの誕生

すべては、カナダ・ケベック州の州都ケベック・シティの近郊にある小さな町、ベ・サン・ポール(Baie-Saint-Paul)で始まった。1980年代、この町のストリート・パフォーマーたちがグループを結成し、そのパフォーマンスで町の人々を魅了していた。そのグループのなかには、シルク・ドゥ・ソレイユの創設者ギ・ラリベルテ(Guy Laliberté)がいた。
1984年、「探検家ジャック・カルティエによるカナダの発見450周年」を記念するイベントをケベック州政府が探していたところ、ギ・ラリベルテがサーカスを提案した。このグループは「シルク・ドゥ・ソレイユ(Cirque du Soleil)」という名のもと、ケベック州政府の援助によりケベック州中で興行し、人気を博した。こうしてシルク・ドゥ・ソレイユが誕生した。

2. シルク・ドゥ・ソレイユの概要

1984年創設当初、20名のパフォーマーを含め、従業員は73名だった。現在では、約4,000名の従業員を有し、そのうち、パフォーマー(アーティスト)たちは約1,000名で、50か国から来ている。25もの言語が飛び交う多国籍企業である。ケベック州モントリオールの国際本部では約1,500名の従業員が100種類以上の職種に就いて勤務し、従業員の平均年齢は37歳である。
現在まで、世界中の約300もの都市で興行し、約1億人の観客を得てきた。2015年は、世界中で17のショーを行っている。昨年2014年は19のショー行い、1,500万人の観客を得た。

3. 世界中のショー

シルク・ドゥ・ソレイユには3つの部門がある。
(1) ツーリング・ショー(touring shows)
次々と国を移動するショー。Corteo、KOOZA、OVO、TOTEM、Amaluna、KURIOSなどのBig Top Showsと呼ばれる大がかりなショーは、大都市を回り、1都市に2-3カ月留まる。
(2) アリーナ・ショー(arena shows)
興行期間が短い。ヨーロッパを回ったQuidam、北アメリカを回ったVarekaiがその代表。
(3) 常設ショー(resident shows)
現在、ラスベガスで8つの常設ショーが展開されている。1993年のMystèreに始まり、“O”、Zumanity、KA、LOVE、CRISS ANGEL Believe、Zarkana、Michael Jackson ONEが追加された。フロリダ州のオーランドにもLa Noubaという常設ショーがある。

4. 日本のショー

1992年、Fascinationというショーが日本の7都市を回って以来、この20数年間で、Saltimbanco、Alegria、Quidam、Dralion、Corteo、KOOZA、Michael Jackson-The Immortal Tourを上演し、2015年は6月までOVOが仙台で上演される。
2008年、東京ディズニー・リゾートでZEDという常設ショーを始めたが、2011年の大地震の影響で撤退を余儀なくされた。

5. 国際本部

シルク・ドゥ・ソレイユの創設者ギ・ラリベルテは、芸術性と創造性をサーカスに結び付けた才能豊かな人物であり、パフォーマーたちの能力を最大限に引き出した。創設当時、シルク・ドゥ・ソレイユは、ケベック州政府からの援助を受けながら、ラリベルテが個人で経営したサーカスであったが、時代の流れで経営形態が変化することとなった。
国際本部はクリエーション・スタジオと呼ばれ、モントリオールの町はずれのサン・ミシェル(Saint-Michel)にある。1997年以降すべてのショーの企画、創作、トレーニングがここで行われている。

コスチューム・ショップでは、300名以上の服飾専門家がショーで使われるすべての衣装、靴、小道具を作成している。
この地域は「サーカス・アーツの街」である。シルクの国際本部の隣に立つTOHOはサーカス・アーツの発信地であり、モントリオールをサーカス・アーツのメッカにすることを使命としている。また、サーカス・アーティストの育成を使命とする州立サーカス学校もある。

6. 常設ショー

ラスベガスでは8つの常設ショーが上演されているが、毎週135,000枚ものチケットが用意されている。Believe以外の各ショーは週に10回、年間470回上演している。平均稼働率は75%である。他方で、1998年に始まったオーランドのLa Noubaも週に10回上演し、毎週16,000枚のチケットが用意されている。
ラスベガスとオーランドでの成功は、現地のリゾート会社との強い提携関係(ラスベガスのMGMなど、オーランドのディズニー)、そして、観光客が多く集まる立地、という要因による。
2008年から2011年の間、9つのショーを開始したが、そのうち、日本のZEDを含め、5つ打ち切った。これらの教訓を糧に、我々は観客により愛されるショーを開発している。

7. 今後のショー

2014年11月、メキシコのリビエラ・マヤでJoya(ホヤ)という新しいショーを始めた。
また、James Cameron(映画「タイタニック」や「アバター」の監督)と提携し、映画でヒットしたAvatar(アバター)をもとにしたショーを2015年末、公開する予定である。

講演の様子

高い芸術性と創造性を誇る世界的に有名なスーパー・サーカス集団の中心的人物の講演とあって、当日は、クリスタルホールの定員120名を大きく上回る数の学生たちや一般の方々が来場した。本学はZEDの常設ショーがあった東京ディズニー・リゾートに近いという立地もあり、ZEDの会場で働いていた、という人たちも来場した。

講演は英語で行われ、通訳のかわりに日本語による講演内容の要旨が配布された。来場者たちはシルク・ドゥ・ソレイユの全体像について理解を深めるだけでなく、まだ公開されていない次回作「アバター」のプロモーション映像を見る貴重な機会も得た。
講演当日は、台風6号が関東に接近するなか開催され、講演開始から40分を経たところで、校内アナウンスで授業(講演)を中断し、全員帰宅するよう、指示があった。来場者たちは、惜しみながら、最後に集合写真に収まり、ブルボニエール氏に握手とサインを求める長い列をなした。
 
 
矢頭典枝

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