第51号(2018年8月1日発行)

神田外語大学報「第51号」

神田外語大学 第6代学長に宮内孝久氏が就任

神田外語大学 宮内学長 神田外語大学 宮内学長

第6代学長 宮内 孝久 就任の挨拶

私は、本年4月に、8年間学長を務められた酒井邦弥氏の後任として就任した。前学長が残した数々の功績に敬意を表したい。 本学の使命は外国語を学び続け、批判的思考能力と教養を備え、逞しく生き抜く人を育てること、即ちキャリア教育だと考える。 私は40年間の商社生活を通じ、真贋(しんがん)見極める難しさを知り、又、各地各様の人情の機微(きび)に触れ、異なる価値観に接し、違いを尊敬し合うことの大切さを学んだ。サウジアラビア駐在中は湾岸戦争に遭遇し地政学的興味を深めるヒントを得、メキシコ塩田経営者時代には理不尽な環境保護運動と対峙しNGO社会の複雑さを垣間見た。「司法制度の罠(わな)」等矛盾だらけの現実に向き合う力も身についた。世の中は意地悪であり理不尽なもの。私は、その現実に立ち向かい生き抜くことの難しさと、それらとたわむれる面白さを若い人達に伝授したい。 善悪の判断は個々人や文化、歴史によって異なり、その歴史は生き残った者により書かれる。自然界も人間社会もわからないことだらけで、善悪二元論で割り切るなどは言語道断。グローバル化が進む一方で国家主義や民族主義が広まるなど社会は多様化し、我々は激しい変化にさらされる。しかし、先行きが見え難いとはいえ、我々は森羅万象(しんらばんしょう)を多少なりとも理解し、より平和な世界を作りあげなければならない。「平和を愛す。平和を願う」というが、知恵を使わず努力をしなければ、平和の実現は難しい。我々は「言葉と文化」に拘り教養を深め、批判的思考能力を身につけ、意志を持って平和を実現する努力をするのだ。 本学は、様々な地域から多岐にわたる専門家が揃い、幅広く議論をし対話を通じて学びあう、そして豊かな感性を育む空間である。さあ、言葉への興味を深め、教養を身につけ、批判的思考能力を鍛えよう。視界不良の時代とか不確実性の時代と嘆かず、逞しく考え抜き「面白、おかしく、元気よく」前向きに生きよう。

【略歴】
宮内 孝久(みやうち たかひさ)
1950年東京生まれ 1975年早稲田大学法学部卒業。
1975年株式会社三菱商事入社。1988年-1991年サウジアラビア・リヤド駐在。1996年-1999年メキシコ塩田事業経営に携わる。2016年代表取締役副社長退任。2018年より現職。

神田外語大学 酒井邦弥

第5代学長 酒井 邦弥 退任の挨拶

私は、本年3月、2期8年の任期満了により神田外語大学の学長を退任いたしました。 思い起こせば8年前、緊張感と不安感に苛まれながら学長に就任いたしました。同時に、私は若者たちを励ますことが「自分の世代のせめてもの義務」であり、これの実践こそが私のミッションであると心に決めました。若者は真剣に生きようと思えば思うほど、「自己嫌悪・自己否定」という辛くて苦しい奈落に陥るものです。最近は「居場所」すら持てない子供たちも多いようです。従って、大学こそが、本来の「ゲマインシャフト」であるべきだと思ったからです。 ところが就任して半年後、この大学は既にこの課題に挑戦し相応の成果をあげていることに気がつきました。少人数教室における先生方との信頼関係、部活動・ボランティア活動の充実、自立学習施設における多様なコミュニティーの形成などが定着しているのです。 学生たちが「天真爛漫」であることには理由があったのです。 私はひたすらキャンパスを歩き、学生たちと目線を合わせて「声かけ」することに徹しました。学生たちへの励ましになるのだという、単なる思い込みに過ぎないのですが・・・。それでも反応があると、私が励まされたことだけは確かでした。 神田外語大学の評価が、近年着実に向上しているように思われます。これも教職員の皆さんの「匍匐前進(ほふくぜんしん)」、汗をいとわない地道な努力のおかげであります。加えて「お引き受けした学生たちを、自ら学ぶグローバル人材に育てる」という明確なコンセプトが、世間に理解されつつあるのだと思います。 この8年間、貢献度の少ない学長ではありましたが、「本学の学長になって本当に良かった」と言えることに誇りを感じます。「アカデミズム」が世情にまみれた私にとって「空気清浄機」であったことを人生の第四楽章の「通奏低音」としたいと思います。 私の後任として、宮内孝久さんという、願ってもない方にお見えいただきました。本学にとってこれ以上ない僥倖であります。新学長のもとで、本学は「異次元の発展」を遂げるものと確信しております。 皆さん本当にありがとうございました。

イベロアメリカ言語学科に青砥清一准教授、国際コミュニケーション学科に柳沼孝一郎教授が新学科主任に就任

スペイン語 青砥清一 スペイン語 青砥清一

イベロアメリカ言語学科
青砥清一 准教授

本年度よりイベロアメリカ言語学科主任を拝命した青砥清一と申します。昨年度まで20年以上にわたり旧・スペイン語学科および現・イベロアメリカ言語学科を牽引されてきた恩師、本田誠二先生の後任として就任しました。 私は、1989年入学の3期生です。わが母校は、平成の30年間で大きく発展を遂げました。 2012年には、スペイン語学科と国際言語文化学科ブラジル・ポルトガル語専攻が合併し、「イベロアメリカ言語学科」が誕生。これにより、スペイン語圏とポルトガル語圏の言語と文化をより横断的・連動的に学ぶことができるようになりました。さらに、多彩で教育熱心な教授陣、留学制度の拡充、「Self-Access Learning Center (SALC)」、「Multilingual Communication Center (MULC) 」の設立により、いまや国内屈指の外国語学習環境が整っています。しかし、ただ語学を学んだり検定を取得したりするだけでなく、学んだ外国語を「道具」として自らの教養を高めるために活かし、それを社会のために役立てられる人材を育てたいと考えております。 これからのわが国は、イベロアメリカ諸国との関係を深め、その経済発展の活力を取り込むとともに、文化的多様性を尊重する寛容さと社会制度、芸術や祭りへの情熱、心の豊かさを重んじる生活習慣など、われわれ日本人がイベロアメリカ社会から学ぶ点は数多いと思われます。日本とイベロアメリカ世界との橋渡しとなるよう今後とも精進して参りますので、ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。
神田外語大学 柳沼孝一郎 神田外語大学 柳沼孝一郎

国際コミュニケーション学科
柳沼孝一郎 教授

神田外語大学の建学の精神は「言葉は世界を繋ぐ平和の礎」(Languages are the foundation to link the world in peace.)であり、教育方針は日本語・日本研究も組み入れた「言語教育と教養教育」です。その考えのもとにカリキュラムが編成されています。本学の使命である「真の国際人」を育成するためです。そうした理由から英語名ではKanda University of International Studies (KUIS)と称されます。 国際コミュニケーション学科は設置以来、外国語大学における国際コミュニケーション専攻と国際ビジネスキャリア専攻の意義と教育方針、そしてどのようなスキルを備えた学生を育成してゆくべきかを常に念頭におき、日本語と英語をコミュニケーションツールと位置づけ、インドネシア語、ベトナム語、タイ語をはじめとするアジアおよびスペイン語、ブラジル・ポルトガル語などのイベロアメリカの地域言語も併行して学び、刻々と変化する世界情勢と国際社会のニーズに対応し得る「グッドコミュニケーター」で、かつ視野の広い学生を育てるべく、検討に検討を重ね、手を加え、現在のカリキュラム編成に至っています。 神田外語大学で「言葉と文化」を学ぶことはすなわち「世界を学ぶ」ことに他なりません。グローバルなキャンパスで、留学生と日本人学生が共に、日々、鍛錬し合い、研鑽を積み、高度なコミュニケーション能力と人間力を身につけ、行動力とKUISスピリッツをもって神田外語大学から日本へ、そして世界へ羽ばたき、力強く生きて行って欲しいと切に願ってやみません。

インドネシア・アトマジャヤ大学に「KANDA/ATMA JAYA JAPAN CENTER」設立

本学は3月8日(木)、ジャカルタ中心部のアトマジャヤ大学内に日本語・日本文化を学ぶ人的交流拠点「KANDA / ATMA JAYA JAPAN CENTER(カンダ/アトマジャヤ ジャパンセンター)」を開設した。本学の日本語専任教員が常駐し、現地の学生に実践的な日本語教育を行う。また、日系企業で働くインドネシア人従業員向けに、ビジネス日本語や日本文化を教える講座も設ける。 本学とアトマジャヤ大学は2001年から交換留学を開始し、これまでに73名の留学生が行き来している。本拠点設立により、より多くのインドネシア人に日本語を学んでもらい、留学を促進するのも役目だ。現地の大学教員に日本語の教授法を指導する役割も担う。今後は日本語能力検定試験対策サポートや、日本人学生とインドネシア進出企業との交流事業の展開等も予定している。 日本・インドネシア国交樹立60周年記念事業として同日開催された開所式では、両国の文化交流イベントを実施。能楽狂言和泉流宗家・和泉元彌氏らによる日英両言語での狂言の舞台公演や、JKT48メンバーによるパフォーマンス、アトマジャヤ大学在学生による伝統舞踊の披露など、来場した約400名の観客を前に大いに盛り上がった。酒井邦弥学長(当時)は「言葉を理解し、異文化を理解し、相手を愛すれば、戦争のない平和な世界がやってくる。学生には日頃『留学先の国を、第二のふるさとになるまで愛せ』と伝えている。当センターがインドネシアにおける、第二のふるさとへの拠点になる事を願ってやまない」と祝辞を述べた。アトマジャヤ大学のアグスティヌス学長も「言葉はもちろん、文化や経済、歴史など、あらゆる学習の場になることを期待している」と述べた。 同日夜には、石井正文駐インドネシア日本大使公邸において、開所を記念するレセプションが開催され、インドネシア教育関係者、日系企業の代表者らを前に、再び狂言の舞台が上演された。また、舟田京子客員教授らが5年の歳月をかけて編集し、今年2月に刊行された日本初の本格的辞典「プログレッシブ インドネシア語辞典」(小学館)が披露され、多くの在留邦人から「長年待っていた」と喜びの声があがった。

卒業生アンケートご協力のお願い

昨年創立30周年を迎えた本学では次の30年に向けてさまざまな改革を検討しています。今後、更なる教育力の向上、キャンパスの国際化など、本学がこれからも卒業生皆さまのご期待に応えられる大学であり続けるために、ご意見をお聞かせいただきたいと思います。

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