facebook

神田外語Extension

Columnコラム

2019 Feb. 14 洋画の日本語字幕と実際のセリフが違う理由について
Kanda Gaigo Extension

ビジネス英語を上達させたいと考えている方の中には、海外の映画やドラマを見るときには音声を英語にして、日本語字幕を設定している方も多いのではないでしょうか。字幕で翻訳を見ていると、「あれ?日本語字幕がおかしい?」、「実際のセリフと日本語字幕が違う?」と疑問に感じたことがあるかもしれません。なぜなら、日本語の字幕では意訳していることがあるからです。ここでは海外の映画やドラマの日本語字幕が実際のセリフと違う理由について説明していきます。

日本語字幕と日本語吹替の違い

字幕と吹替の違いを知っている方がほとんどだとは思いますが、念のため説明しておきます。

日本語字幕というのは、映像における話の内容を文字にして起こしたもののことです。多くは画面の下の部分に表示されます。字幕を追っていると映像に集中できないという場合もあるものの、役者自身の声を聴くことができます。

日本語吹替というのは、日本語以外の言語で作られた映画やドラマに対して、他言語の代わりに入れた、差し替えの日本語のことです。音声でストーリーを理解できるので映像に注目できるものの、役者自身の声を聴くことができないという特徴があります。

字幕と吹替の違いについておさらいしました。字幕での視聴の場合には、外国語の音声が流れ、日本語訳が表示されるということは分かりましたね。そのときのセリフと字幕が違うことがあります。その理由について以下に説明していきます。

字幕と実際のセリフが違うのは字幕を作るときに制限があるから

字幕と実際のセリフが違う理由には、字幕を作るときに文字数の制限があるということが挙げられます。字幕の場合、1秒に4文字までという制限があります。また、1行は13.5文字で2行までという制限もあります。非常に限られた文字数で表現する必要があるのです。この制限をもとに字幕を作ることになるのですが、その際には前後のシーンとの流れや日本語の正しさについても加味することになります。

こうした制約のもと考えられた日本語字幕は、実際に話しているセリフとは違う内容になってしまうのです。ただ、視聴者がそのシーンの流れを理解しやすくするために意訳をしています。厳密に見聞きすると実際のセリフとは変わってしまうものの、外国語を理解できない方にとっては意訳になっているほうが理解しやすくなっているはずです。

吹替も実際のセリフとは違うときもある

厳密な意味で、実際のセリフと変わってしまうのは字幕だけではありません。吹替の場合も同様です。
吹替の日本語を作るときには俳優や女優が話している口や唇の動きに合わせて言葉を考えます。外国語と日本語では同じことを表現するのにも、話の長さが変わりますよね。役者の口や唇が動いているのに、吹替では話し声がないといった不自然さを避けるために、吹替に使う日本語訳は役者の口や唇の動きに合わせて作られます。その結果として、実際のセリフとは異なってしまうというわけです。

そのほかにもある制約

字幕は決められた文字数に、吹替は俳優や女優の口の動きに合わせなくてはならないということは分かりましたね。そのほかにも、文化の違いによる制約もあります。
例えば、海外の有名人の名前を出して「○○さんでも~」というセリフがあった場合、海外の有名人であっても多くの日本人が知っているのならよいのですが、そうとも限りません。そういう場合には、「有名コメディアンでも真面目なことを言うだろう。」といったように個人名を出さないようにすることもあります。
こうした違いのほかに、ジョークの違いもあります。ジョークというのは文化背景をもとに成り立つことが多く、海外のジョークを聞いても「どこが面白いポイントなの?」と首をひねる方も少なくないでしょう。そういう場合にも日本人に分かりやすくなるように意訳をするのです。

このように実際のセリフと字幕や吹替の日本語が少し変わってしまうというのは、やむを得ないことなのです。

字幕でリスニング能力を鍛えるときには注意

英語のリスニングスキルを向上させるときには、字幕の映画やドラマを見るという方法は効果的です。しかし、ここまで読めば分かるように日本語字幕では意訳をしていることがあります。リスニングした英語が自分の認識と合っているかの答え合わせのために、字幕を参考にする方も多いでしょう。その際には字幕が意訳になっている可能性もあることに注意しながら勉強してください。

以上、海外の映画やドラマの日本語字幕が実際のセリフと違う理由を紹介しました。文字数の制限や文化の違いなどの理由であることが分かりましたね。映画やドラマを楽しんでもらうために、翻訳者は実際のセリフを直訳するのでなく日本人が理解しやすいように意訳しているというわけです。英語のリスニングのために、字幕での視聴を考えている方はこのことに注意しながら勉強してみてください。

まずは、説明動画をご覧ください!

「世界と戦うための英語力」を
本気で身につけたい方を、
神田外語Extensionは応援します。

プログラム概要 無料オンライン説明会に申込
プログラム概要 無料オンライン説明会に申込