コラム
2017 Nov. 20
【時制の一致と話法】その2
―時制の一致ってナニ?―
従節の時制による違い
前回は「主節と従節」のお話をしました。そして、 I think that John is sick. と I think that John was sick. という2つの英文はどちらも主節が現在形( I think )なので、従節が現在形( is )でも過去形( was )でも特に混乱することもなく日本語に訳せましたね。でも、主節が過去形のとき、何やらアタマがこんがらがってしまいそうでした。
それでは前回ご紹介した、主節が過去形の英文をもう一度見てみましょう。
I thought that John was sick.
この英文の主節と従節の時制はどちらも過去形です。それなら、「ジョンは病気だったと私は思った」のでしょうか?いいえ、「ジョンは病気だと私は思った」のです。
I thought that John had been sick.
この英文の主節は過去形、従節は過去完了形です。この文の日本語訳こそが、「ジョンは病気だったと私は思った」のです。どうですか、理解できましたか?んー、なんだかモヤモヤした気分ですよね。初めからわかりやすく説明することにいたしましょう。

みなさんは直接話法と間接話法ってご存知ですか?直接話法は「言葉をそのまま伝える(被伝達文という)」方法、間接話法は「自分の言葉に直して伝える」方法です。
直接話法の例文1: He says to her, “I love you.”
「彼は彼女に『愛してる』と言う」
という意味ですね。さて、これを間接話法に書き直してみますよ。
He tells her that he loves her.
お気付きですか?いろんなところが変わりましたね。まず、伝達動詞 says to が tells に、そして被伝達文の I が he に、 love が loves に、そして you が her に変化しています。
直接話法を間接話法に書き換えるときは「だれがだれに話しているのか」ということに注意しなければなりません。
次に、例文の主節を過去形にします。
例文2: He said to her, “I love you.”
「彼は彼女に『愛してる』と言った」。
この文を間接話法にしてみますよ。
He told her that he loved her.
あれれ、伝達動詞 tells が told になるのは納得できるけど、被伝達文の love がなぜ過去形の loved になってしまうのでしょうか。そうです、「時制の一致」が起こったからなのです。
「時制の一致」は、主節の時制が過去形のときに従節の動詞に起こります。ですから、主節の時制が過去形の直接話法を間接話法に変えるときにも起こるのです(これを「話法の転換」という)。話法の転換にはいくつかのルールがあります。
(1)一般的に被伝達文が平叙文や命令文のときの伝達動詞 said は told に、疑問文のときの said は asked になる(絶対的なルールではない)。
(2)コンマと引用符(, “ ” )を取り、その代わりに that 、 if などの接続詞を置く( that は省略可)。
(3)被伝達文の代名詞の人称を変える(例: I → he など)。
(4)時制の一致に従って被伝達文の時制を変える(例: love → loved など)。
(5)被伝達文の場所や時を表す副詞(句)を必要に応じて変える(例: here → there など)。
次回は、この5つのルールを適用して話法の転換の練習問題にチャレンジしましょう!
まずは、説明動画をご覧ください!
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