コラム
2017 Nov. 13
【時制の一致と話法】その1
―主節と従節の関係?―
主節と従節とは何か
「時制の一致と話法」は、私たち日本人には理解するのが難しい英文法項目のひとつと言われています。それはなぜでしょうか?その理由は後でお話するとして、まずは「主節と従節」とは何かを知っておいてください。主節(しゅせつ)と従節(じゅうせつ)の関係を知ることは、「時制の一致と話法」を理解するための初めの一歩だからです。
そもそも「節」とは、「いくつかの語が集まって文の一部を成し、その中に主語+述語があるもの」のことです。そのうちで、対等の関係で結びついている節を「等位節(とういせつ)」といい、 and 、 but 、 or などの接続詞(等位接続詞という)で結ばれています。
《等位節+接続詞+等位節》
例文1: I like dogs and he likes cats.
そして、2つの節が because や although などの接続詞(従位接続詞という)や関係詞で結ばれ、一方の節が他方に従属しているとき、従属している節を「従節(または従位節、従属節)」、これを従えている節を「主節」といいます。
《主節+接続詞+従節》
例文2: We trust him because he is honest.
なお、従節は、名詞や形容詞や副詞の働きをして主節に従属しています。例文2の because he is honest という従節は副詞の働きをしているので副詞節と呼ばれます。

主節が過去形になったら
さて、「主節と従節とは何か」が分かったところでいよいよ本題に入ります。まず、「時制の一致」の説明から始めましょう。時制の一致とは「主節の動詞と従節の動詞の時制に関する一致」のことです。ん?なんだかよくわかりませんね。では次の2つの例文を見てください。
例文3: I think that John is sick.
「ジョンは病気だと私は思う」
例文4: I think that John was sick.
「ジョンは病気だったと私は思う」
このように主節が現在形( I think)のときは従節が現在形 is であっても過去形 was であっても、ジョンの状況(今、病気なのか、過去に病気だったのか)はよく理解できますよね。日本語に訳すときも特に問題はありません。
それでは、次の2文はどうでしょうか。
例文5: I thought that John was sick.
例文6: I thought that John had been sick.
あれ?主節が過去形になったら、従節の動詞の時制が変化してしまいましたね。しかも過去完了形( had +過去分詞)まで登場しています。ジョンは今病気なのでしょうか、それとも過去に病気だったのでしょうか?どう日本語に訳せばよいのかもよくわかりませんね。なんとも不可思議なこの現象は一体何なのでしょうか?そうです、これこそが「時制の一致」が起こることによって生じた現象なのです。さて、次回はこの現象の解明です。どうぞお見逃しなく!
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