コラム
2017 Sep. 25
【関係詞は絆創膏】その3
―関係代名詞の2用法―
制限用法と非制限用法
前回は、関係代名詞という絆創膏で2つの文章をくっつける方法をお話しました。今回は、関係詞の2つの用法のお話です。その用法とは「制限用法」と「非制限用法」。「ほ~ら、やっぱり難しい話になってきた。だから文法ってキライなの!」「まあ、そう言わないで。言葉だけ見ると難しそうだけど、わかりやすく説明するから最後まで読んでくださいね」
それでは次の2つの英文を見てください。
例文1: Tom has three sons who are doctors.
例文2: Tom has three sons, who are doctors.
どうですか?どちらも who という関係代名詞を使った、まったく同じ英文ですね。違いは1つ。コンマがあるかないか、だけです。
普通、みなさんが「関係代名詞を使った英文」と思っているのは例文1のコンマがない英文ですね。見慣れたこの文は「制限用法の関係代名詞」と言います。そして例文2が「非制限用法の関係代名詞」です。
例文1は「トムには医者の息子が3人いる」ですが、実はこの文では、トムは全部で何人の息子がいるのかわかりません。もしかしたら、5人かもしれません。ビジネスマンの息子が2人で、教師の息子が1人いるかもしれませんよ。そこで、「医者という制限をすると3人」だと言っているんです。もうおわかりですね。これが制限用法です。制限用法の関係代名詞の文は、修飾する先行詞(この場合は「3人の息子」)を明確にするという働きがあるんです(関係代名詞 that はもともと先行詞の意味を限定する力があるので非制限用法を持たない)。
一方、コンマのある非制限用法の例文2は「トムには3人の息子がいる。その全員が医者だ」という意味になります。つまり非制限用法は、先行詞について補足説明を加えているんです。もちろん、この用法は書き言葉です。なぜなら、会話文ではコンマがあることがわからないからです。例文2を話し言葉にすると、例えば Tom has three sons, and all of them are doctors. のように、関係代名詞を使わずに言い換える必要があります。

さて、先行詞に補足説明を加える以外に、どうしても非制限用法にしなければならない場合があります。次の2文を見てください。
例文3: I met Tom’s wife who is a teacher.
例文4: I met Tom’s wife, who is a teacher.
日本や欧米のように一夫一婦制の国では、例文3はあり得ません。なぜなら、例文3の制限用法ではトムの奥さんは複数いることになってしまうからです。「トムの奥さんに会ったよ」「どの奥さん?」「教師をしているほうの奥さんだよ」と、奇妙な話になってしまいます。もちろん会話では、 I met Tom’s wife. She is a teacher. と言うべきでしょうね。
このように、先行詞が「一人・ひとつ」しかない人や物を表すときは、必ずコンマをつけて非制限用法にしなければいけないのです。
次回からは関係副詞のお話です。大丈夫! わかりやすく、わかりやすく説明しますよ。
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