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神田外語Extension

Columnコラム

2017 Jun. 19 【完了形を使いこなそう】その4
Takako Kurimoto

―「継続」の現在完了形―
■ 英語の「経験」には2通りある

前回は「経験」を表す現在完了形のお話でしたね。日本語では「~したことがある」という表現で経験を表します。そしてこの表現は「どんな経験」にも使います。つまり、「何かを経験した」と言いたいときはこの表現ですべて事足りる、というわけです。ところが、英語ではナントびっくり、2種類の「~したことがある」があるんです!

実はこの2種類の「~したことがある」が種明かしなんです。なんの種明かしかって?それは、なぜ I have lived in Paris. が「経験」ではなく、 Have you eaten sashimi? は「経験」なのか、という手品の種明かしです。ここで前回差し上げた2つのヒントを思い出してください。
まずヒント1:動詞に注目!です。 live 「住む」という動詞と eat 「食べる」という動詞の違いはなんでしょう?そしてヒント2:「パリに住んでいたことがある」「刺身を食べたことがある」と言う人に、それぞれどんな質問をしたくなりますか?でしたね。

同僚の一人が「実は私、パリに住んでいたことがあるの」とちょっと自慢げに言いました。さあ、何か質問してください。まずは「へえ、何年くらい住んでたの?」と訊きませんか?一方、「ワタシ、おサシミ食べたことありま~す」とうれしそうに話す外国人のお友だちにはどんな質問をしましょうか。それでは、「ホー、何回くらい?」はどうですか?

「住んでいたことがある」に対して「何回くらい?」という質問はあり得ませんね。同様に、「食べたことがある」に対して「何年くらい?」と訊くはずがありません。なぜでしょう?そう、「住んだことがある」という経験には「期間」が必要だからです。そして「食べたことがある」という経験は「回数」で数えられるからです。これが2種類の「~したことがある」の違いです。
■「継続」は「完了形」で表すしかない

ここで現在完了形の3つ目の用法「継続」の登場です。「期間」が必要な動詞 live を使って I have lived in Paris. と言うと、「経験」ではなく「継続」になってしまうんです。「継続」は「現在も続いている」ことにしか使えません。「現在」もパリに住んでいなければ使えない文章なんです。
「昔住んでいた」は過去形で I lived in Paris. と言います。つまり、「経験」の現在完了形は、「何回」と数えられる経験にしか使えないんです!そして、「完了・結果」と「経験」を英語で表すときに、過去形で言ってしまったとしても大問題や大爆笑になることはほとんどありませんが、「継続(過去に始まったことが今も続いている)」の意味を英文で表すときは「完了形」で表現するしか方法はありません。「継続」こそが、現在完了形の一番大切な用法なんです。

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ちなみに、「経験」にも「継続」にも使える動詞はいくつもあります。例えば、 He has been eating for 2 hours. 「彼は2時間ずっと食べ続けている」のように eat は「継続」の意味でも使うことができます。
さて、次回は「完了形」の締めくくりとして、過去完了形未来完了形のお話をすることにいたしましょう。

まずは、説明動画をご覧ください!

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