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神田外語Extension

Columnコラム

2017 Jun. 11 【完了形を使いこなそう】その3
Takako Kurimoto

―「経験」の現在完了形―
■「過去から現在までの経験」

現在完了形の2つ目の用法、それは「経験」です。さて、現在完了形は「必ず『現在』に関わりを持つ」でしたね。でも、経験というのはどう考えても過去の出来事です。それがどうやって「現在」とつながるわけ?と、疑問に思いますよね。
それでは、こんなふうに考えてみてください。例えば、「ロンドンに行った」という過去の出来事が3回あったとしましょう。過去形は現在とは完全に切り離された時制です。そこで、「ロンドンに3回行った」のなら、 I visited London. I visited London. I visited London.  となります。つまり、「過去から現在までの間」にロンドンに行ったという事実が3回あったというわけです。ほら、つながってきたでしょう?現在完了形の「経験」という用法は「過去の経験」というよりも「現在までの経験」ということなのです。

次に日本語訳から考えてみましょう。
何度も言いますが、日本語には現在完了という時制は存在しません。ですから、「経験」は過去形で表すしか方法はありません。実はここに大きな落とし穴があるのです。

それでは第1問。「私はパリに住んでいたことがある」という日本文を英訳してみてください。え~と、「~したことがある」は経験でしょ?だから、経験を表す現在完了形を使えばいいんだな。ハイできました、 I have lived in Paris. !ブー、不正解!正解は I lived in Paris. です。えっ、ただの過去形なの?はい、そうです、過去形が正解です。

第2問。アメリカ人の友だちが日本に遊びに来ることになりました。あなたは日本食をご馳走しようと考えたのですが、外国の方は生の魚は苦手かもしれません。そこでメールで質問することにしました。それでは「刺身を食べたことがある?」を英訳してください。「~したことがある」は経験だから、現在完了形を疑問文にして Have you eaten sashimi? かな。あ、やっぱり Did you eat sashimi? っていう過去形が正解なのかなあ?いいえ、 Have you eaten sashimi? が大正解です。そして Did you eat sashimi? にも△をあげましょう。

え~~~っ! I have lived in Paris. はダメで、なぜ Have you eaten sashimi? は正解なの?だって、「~したことがある」という「経験」を、どちらも現在完了形を使って英訳したのに、なぜ×と○になるわけ?

さあ、みなさんはおわかりですか?実は、多くの人が「~したことがある」という日本語に惑わされてしまうんです。日本語では「経験」を表すときには、どんな経験でも「~したことがある」と言いますからね。そう、「どんな経験でも」です。だから、惑わされてしまいます。一体どういうこと?

さて、この疑問にお答えするには、3つ目の「継続」用法のお話をしなければなりません。ですから、種明かしは次回のお楽しみに!う~ん、これじゃあ、あまりにも愛想がなさ過ぎますね。それでは、ヒントを2つ差し上げますので、ぜひみなさんも考えてみてください。
ヒント1:動詞に注目!
ヒント2:「パリに住んでいたことがある」「刺身を食べたことがある」と言う人に、それぞれどんな質問をしたくなりますか?

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