コラム
2017 Sep. 4
【分詞って…意味不明】その4
―なるほど!分詞構文―
時間の流れを明確にする方法

例文3: After Jane visited the art museum, she went to the library.
さてと、手順は?
(1)まず、左右の節の主語が同じかどうかですね。
はい、 Jane と she は同一人物です。
(2)それでは左節の接続詞 After と主語 Jane を取り去りましょう。
→ visited the art museum, となりました。
(3)残った動詞 visited を現在分詞にして文頭に置くんでしたね。
→ Visiting the art museum, となります。
(4)そして主語の Jane を右節に移しましょう。
→ Visiting the art museum, Jane went to the library.
はい、出来上がり!
おっと待ってください。これでは美術館に行ったのが先か、図書館に行ったのが先か、わかりませんね。そうなんです。分詞構文は接続詞を取り去ってしまうので、時間の流れがわからなくなってしまうんです。でも大丈夫。2つの解決方法があります。
①《Having+過去分詞》にする方法。これで、より古い過去を表します。
Having visited the art museum, Jane went to the library.
はい、これで「美術館を訪れた後に、図書館に行った」という「時の流れ」がはっきりしました。
②《接続詞を残す》方法。
After visiting the art museum, Jane went to the library.
確かにこうすれば時間の流れがよくわかりますね。
分詞構文には接続詞がありません。ですから、文の意味があやふやになってしまうことがあります。時の流れを明確に表したいときは上記のような方法で書き換えますが、それ以外の文章でも意味が不明瞭になる場合には接続詞を残すことがよくあります。分詞構文は「絶対に接続詞を省略しなければいけない!」わけではないんです。

分詞構文は左右の節の主語が同一の人や物を指す文であることが前提です。でも、左右節の主語が同一ではない分詞構文もあるんです。
例文4: We will start tomorrow if the weather permits.
「明日天気が良ければ私たちは出発します」。
左右の節の主語は we と the weather ですから同一ではありませんね。これを分詞構文にしてみますよ。
すると→ We will start tomorrow, weather permitting. となります。 weather という主語が残っていますね(この場合、 the は消えてしまいます)。このような構文を「独立分詞構文」といいます。ただし、きわめて文語的なので慣用表現以外は今では使われることはほとんどありません。
さて、それでは最後によく使われる慣用表現のいくつかをご紹介しましょう。
Considering ~,「~を考えると」、 Judging from ~,「~から判断すると」、 Generally speaking,「一般的に言うと」、 Speaking of ~,「~と言えば」などのほか、 according to ~「~によれば」、 regarding ~,「~に関して」なども分詞構文出身の慣用表現です。
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