■ 日本語の名詞には複数形が無い！？

品詞は「名前」でしたね、覚えていますか？そして、「しのし（４の詞）」つまり４大品詞と呼ばれる品詞は名詞、動詞、形容詞、副詞でした。そのほかにも大事な品詞はたくさんありますが、英文を構成する基礎を形作るのはこの４つの品詞です。それでは、その４大品詞の謎をひとつひとつ解き明かしていくことにいたしましょう。

まずは名詞です。名詞ってナニ？はい、「名詞は人や物の呼び名」です。Kurimoto「栗本」もEnglish「英語」もdesk「机」もcoffee「コーヒー」もすべて名詞です。もちろん日本語にも名詞はありますが、私たち日本人が最もアタマを悩ます英語の名詞の謎は、「その名詞って数えられるの？数えられないの？」という区別です。

なぜこの区別が日本人には謎なのでしょうか？それは、「日本語の名詞には複数形がない！」からなのです。確かに「～たち」を付ければ複数形になるものもあります。でも、それはほとんどの場合、生き物に対してだけです。「学生たち」「子どもたち」「小鳥たち」とは言えますが、「机たち」「駅たち」「自動車たち」とは言えません。

■ 数えられる名詞と、数えられない名詞

ですから、このような名詞が英文中に出てきたときには、どう訳していいか本当に困ります。There are books on the table.をどう訳しますか？「テーブルの上には数冊の本がある」ですか？でも、実際はものすごく大きなテーブルの上に数十冊あるいは数百冊の本が積まれている光景なのかもしれないんです。「複数の本がある」とでも訳しますか？なんだか変ですよね。ですから、「いくつあるか不明だけど複数ある」という状況を日本語にするのはほとんど不可能なんです。

でも英語の名詞は「それって単数なの？複数なの？」とはっきり区別する必要があるんです。そこに名詞最大の謎、「だいたい、その名詞は数えられるの？数えられないの？」が私たちの前に立ちはだかるのです！英語の複数形は語尾にsやesを加えて作りますね。でも、それはdesksやpotatoesなど「数えられる名詞」にしか付けられません。どんなにたくさんあっても、数えられない名詞を複数形にすることはできないんです。

当然、「どんな名詞が数えられないの？」「じゃあ、その名詞はどうやって複数にするの？」という疑問が出てきますよね。はい、わかりました。次回はその疑問にお答えすることにいたしましょう！