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Columnコラム

2019 Nov. 8 通訳のコツ 第3回: 通訳できる?同通だけど
Yuji Kadota

 第3回: 通訳できる?同通だけど

前回のコラムでは、「通訳」の様々な形態をご紹介しましたが、今回は、そのお仕事である通訳方式を分類したいと思います。最初に「逐次通訳」を説明しますが、通訳の世界では、「逐次に始まり逐次に終わる」と言われるように、「逐次通訳」こそが通訳技術の基本中の基本と言えます。

逐次通訳
スピーカーの話を区切って、順次通訳してゆく方式。一区切りは、その話の内容にもよるが20~60秒程度で、通常1つのまとまった考えをあらわす長さ。人が1分間わーわー話すだけでも結構な分量になるが、これを3分から4分やられてしまうと怒りでワナワナ身体が震えてしまう。通訳者は内容を落とさないようにメモを取りながらスピーカーの話を聞き、スピーカーの話の完了とともに通訳を始める。同時通訳に比べて、時間はほぼ2倍かかるが、100%相手の話を聞きたい交渉事や、スターの記者会見、タイムリーな話題の講演などで多用される。

同時通訳
一般の方がもっともイメージする方式。スピーカーの発言とほぼ同時に通訳していく。聞くことと話すことを同時に行うというかなり人間的に不自然な行為。国際会議場などでは、通訳者は通常ブースと呼ばれる仕切られた部屋に入り、ヘッドフォンをかけてスピーカーの話を聞き、マイクに向かって通訳をする。人間の集中力は頑張っても15分~20分程度しかないので通訳者は交代することになっているが、そんな法律など、どこにも存在しないので先方の予算の都合だったり、通訳稼業をよくわかっていないお客様だと、一人で担当させられることもあり部屋の中は地獄絵図と化す。

サイト・トランスレーション
レセプションなどでのスピーチ用にスピーカーがあらかじめ用意した原稿を通訳する方式。耳でスピーカーの話を聞き、原稿の文字を追いながら、スピーカーの話と同時に訳していく。通訳者は事前に原稿を入手し読み込み、まるで自分で書いたかのような状態になっていることが理想であるが、スピーチする人は、良いスピーチをしたいので本番ギリギリまで推敲している場合が多い。準備時間の長さが通訳の良し悪しを決めるのに、スピーチ直前に原稿を渡され、諦めとやけっぱちな気持ちで通訳しなければいけないこともある。

ウィスパー通訳
テレビ番組のゲストに呼ばれたハリウッドスターの後ろに立ち、耳元でささやくように通訳する方式。同時通訳と同じであるが、同時通訳のようにブース内でヘッドフォンを通してスピーカーの声だけを集中して聞くスタイルではないので周りの雑音にブンブン振り回される。お漏らししてしまう情報も当然あり、通訳者にとっては負担が多い方式だが、一般の方がテレビで見る通訳者の姿はほとんどがこのスタイル。

まずは、説明動画をご覧ください!

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