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神田外語Extension

Columnコラム

2017 Jul. 25 【動名詞って動詞?名詞?】その1
Takako Kurimoto

―出身は動詞です―

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動詞出身の「名詞」

動名詞(英語で Gerund )は、その名の通り「動詞出身の名詞」です。あ、動詞出身の名詞と言えば、 to不定詞の名詞的用法がありましたね。でも、ことわざや格言以外で to不定詞を主語として文頭で使うのは不自然なので避けましょうというお話をしました。それでは、同じく動詞出身の動名詞も主語として文頭で使わない方がいいのでしょうか?いえいえ、どうぞ存分にお使いください!動名詞の、名詞としての性質は to不定詞など比べものにならないほどカチカチに固いものなんです。

動名詞は、動詞の原形に~ingを付けた形をしています。これは、第31回でお話する現在分詞とまったく同じ形です。動名詞と現在分詞の見分け方も、そのときにご伝授いたしますので楽しみにしていてください。さて、カチカチの名詞である動名詞は、名詞と同じ働きができます。もちろん、文中の主語や目的語や補語になれますし、形容詞で修飾することもあります。さらに、完全に名詞化してしまった動名詞は、なんと冠詞や複数形や所有格を持つこともあるんです。 savings 「貯蓄」や earnings 「所得」などは、完全に名詞化した動名詞と考えられています。

カチカチの名詞である動名詞ですが、普通の名詞とどこが違うのでしょうか。みなさんは bookという名詞を見たり聞いたりしたとき、どんなイメージが頭に浮かびますか?ほとんどの方は、「本」という物体を絵のように想い描くのではないでしょうか。一方、 reading という動名詞はどうでしょう。おそらく、頭の中で「本」を「読んでいる」人間の姿をイメージするのではありませんか?そう、動名詞は本来は抽象名詞です。つまり、普通名詞はその「形状」を、そして動名詞は「動作」を思い浮かべるというわけです。何しろ、元は形のない動詞だったのですから当然ですね。

動名詞には動詞の機能も

では、動名詞は動詞出身のくせに、自分が動詞だったことをすっかり忘れてしまったのでしょうか?いいえ、決して忘れてはいません。動名詞は動詞の機能もしっかりと持っているんです。

(1)目的語や補語をとることができます。
I remember seeing her 5 years ago. 「私は彼女に5年前にあったことを覚えている」。 herseeing の目的語です。
(2)完了形や受動態があります。
She denied having met him there. 「彼女はそこで彼に会ったことを否定した」。
(3)副詞(句)で修飾されます。
Stop talking loudly here! 「ここでは大声で話すのをやめて!」。
このように、動名詞は名詞の機能と動詞の機能を併せ持っています。そして、同じ動名詞でも名詞的性質が強く出る場合と、動詞的性質が強く出る場合があるのです。

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さて、 to不定詞と動名詞は「動詞出身」という共通項以外、何の接点もないように思えますが、実は to不定詞と動名詞の間には奇妙な関係があるのです。次回はその関係についてお話することにいたしましょう。

まずは、説明動画をご覧ください!

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