コラム
2017 Nov. 6
【仮定法ってナニ?】その4
―ifがなくても仮定法?―
ifを省略した仮定法
仮定法の文章では if節に助動詞が使われることはありませんが、1つだけ例外があります。それは shouldです。
例文1: If Mary’s uncle should die, she would inherit all his property.
「万一、メアリーのおじさんが死亡したら、彼女は彼の全財産を相続するだろう」
のように、「可能性が少ないと話し手が思っていることが『万一』起こったら」を表しますが、「絶対に起こり得ないこと」には使えません。これは if節に「不確かさ」を示す should を入れたもので、帰結節( if節ではない方の節)には現在形の助動詞や命令文を使うこともできます。
例文2: If you should have any questions, you can call me anytime / please call me anytime.
「何かご質問がありましたら、いつでも私にお電話ください」。
実際にはこのように「万一」という意味が薄れ、依頼や命令をするときによく用いられます。
さて、 ifがあるからといって仮定法とは限らない、ということはもうみなさんご存知ですね。そう直説法の文章でも if はよく使われます。それでは、仮定法はいつも if が必要なのでしょうか?いいえ、if のない仮定法もあります。実際、 if なしの仮定法は日常的によく使われています。
まず、 if を省略した仮定法の文章をご紹介します。それでは例文2の if を省いてみましょう。
例文3: Should you have any questions, you can call me anytime.
ifが省略されると倒置が起こり、shouldが文頭に置かれます。この形は会話の中で使われることはまずありませんが、ビジネスレターやメールなどの文書の中ではよく使われます。検定英語のテストなどでもよくお目にかかりますので、覚えておきましょう。ただし、この形をとるのは should 以外では were と過去完了形の had しかありません。
If I were a bird, ~ =Were I a bird, ~
If you had studied harder, =Had you studied harder, 。
倒置が起こると、まるで疑問文のように見えますが、文尾に ?マークはありませんのでifが省略された仮定法だと分かりますね。
「助動詞の過去形」の場合
さて、次の2文の違いは何でしょう?
例文4: I hope it will be sunny tomorrow.
「明日晴れればいいなあ」
例文5: I wish I were [was] a little younger.
「もう少し若かったらなあ」
どちらも「願望」を表す文ですが、その違いは「実現の可能性があるか、ないか」ということです。「明日晴れること」は可能性として十分ありますね。 hope +文章=実現可能なことを望む(つまり直説法)、でも「若返ること」は、ん~実に残念ですが不可能です。 wish +文章=実現不可能なことを望む(つまり仮定法)と覚えてください。

さて、最後に仮定法の慣用表現をご紹介して今回はお別れします。
It’s (about / high) time I was leaving.
「そろそろ失礼します」
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