コラム
2017 Oct. 30
【仮定法ってナニ?】その3
―仮定法過去と仮定法過去完了―
万人が『あり得る』と思うかどうか
前回は直説法と仮定法の違いのお話をしました。ルームメイトに
If he loved you, he would come. と過去形で言ってしまった私でしたが、
If he loves you, he will come. のように現在形で言うべきだったのです。
なぜなら私は「彼があなたを愛しているのは事実だ」と信じていたからです。こうして私は「話者が『あり得る』と思うこと」は直説法!そして「話者が『可能性が低い』と思うこと」は仮定法!ということを覚えたのです。
ところで、話者だけではなく万人が『あり得る』と思う「万人が『あり得る』と思うこと」を言うときも直説法でしたね。万人(ばんにん)、つまり誰に訊いても「ああ、それは可能性としてはあるね」と答えるときです。
第40回の例文
If it is sunny tomorrow, we will go on a picnic.
は、誰に訊いても「明日晴れる可能性はある!」と答えるはずだから直説法なんですね。
それでは、「万人が『あり得ない』と思うこと」はどうでしょう?
例文1: If I were a bird, I would fly to you.
「もし私が鳥だったら、あなたのもとへ飛んでいくのに」
という文を見てみましょう。 if節には were という過去形が使われています。しかも、 was ではなく were !?どういうこと?
さて、人間が鳥に変身するなんてことは絶対に不可能ですね。誰に訊いても「あり得ない!」と答えるはずです。「万人が『あり得ない』と思うこと」を仮定しているから「仮定法過去」の文になるのです。なお be動詞は最近では was が使われることが多いのですが、例文1の場合や、 If I were you, 「私があなただったら」などの慣用表現(次回お話しします!)などは were が使われます。
過去の話は過去完了形!
さて、 if節の動詞に過去形が使われているから「仮定法過去」と呼ばれるのですが、話の内容は「現在・未来」のことでしたね。動詞が過去形なので、過去の話と勘違いしないようにしましょう。では過去の話をするときはどうしたらいいのでしょうか?そう、過去完了形を使います。
前回、 If you study harder, you can pass the exam. と言っていた話者が
If you studied harder, you could pass the exam. と言ってしまった話者の心の変化の話を覚えていますか?残念ながらその「 you 」はとうとう試験に落ちてしまいました。そこで話者が言います。
If you had studied harder, you could have passed the exam.
「もっとがんばって勉強していたら、試験に受かっていたのに」。
If節の動詞が《 had +過去分詞 = 過去完了》なので「仮定法過去完了」と呼ばれます。そして《助動詞の過去形+ have +過去分詞》がペアになります。仮定法過去完了は話者も万人も関係なく「過去の事実に反することを仮定したり、過去の想像を仮定したりするとき」、つまり「ああだったら、こうだったのに……」という過去の出来事を悔やむ気持ちや残念に思う心を表現するときによく使われます。

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